築100年の大阪港赤煉瓦倉庫を同時代のクラシックカーで彩る博物館。
近代化遺産として価値の高い築100年の大阪港赤煉瓦倉庫。この場所を世界で唯一無二の「大人のミュージアム」として活用するのが「ジーライオン ミュージアム」だ。その旧きよき建造物と同じ時間を刻んだ、 往年のクラシックカーを生かした最高のステージをご覧入れよう。
旧きよき時代を残す倉庫群の景観を、クラシックカーの趣ある表情で彩った名所。
1920年代、日本最大の商工業都市として成長した大阪の海陸交通の結節点として栄えた大阪港エリア。その地に今なお残る赤煉瓦倉庫には、建物が生まれた同じ時代に、はるか欧米諸国の街並み走っていた往年のクラシックカーたちが眠っている。
赤煉瓦と屋根の勾配が美しい外見は、竣工当時とほとんど変わらずに残っている。4つの倉庫をつなぐ道は、ニューヨークやロンドンの 裏路地を想起させる。掲げるキーワードは「大人の愉悦場」だ。
「ジーライオン ミュージアム」は、近代建築としても価値の高い赤煉瓦倉庫を保存しながら、その空間が纏うヴィンテージの世界観を活かし、クラシックカーが輝く空間にリノベーションされている。かつては住友倉庫が所有・使用していた倉庫だったが、長らく空き家で1999年に大阪市に移管された。
鉄骨で補強された屋根と赤煉瓦の内壁が、煌びやかなクラシックカーと相まって空間を彩る。中央には、当時アメリカ中級車社会をリードしたハドソンの1938年式が展示されている。
その後、安全性の確保を理由に封鎖されたが、2014年に現在の代表の田畑利彦氏が譲り受けたという。クラシックカーのコレクション、その一台目は、1920年代のロールス・ロイス・ファントムだったそうだ。その後たまたま見つけたこの倉庫も、同年代。国を越えた奇妙な偶然が、いまの「ジーライオン ミュージアム」のきっかけだ。
住友倉庫だったかつての痕跡が随所に残っている。例えば、どこかで柱として使われていたであろう廃材などは、敷地内に散乱していたもの。それを内壁などに配し、装飾に転用していたりする。
また外壁に設置されたクレーンもそのまま残している。旧く錆びついた鉄扉が醸し出すヴィンテージ感と相まって、趣のある表情を醸し出している。旧字体で壁に刻まれた「壱」という文字も、時代を感じさせる