最新「ミニやクリオ」に挑む5年目 アウディA1 35 TFSIへ試乗 総合力で応えるコンパクト!
アウディらしい高級感 うれしいハードスイッチ
内装には上質な素材が用いられ、ポロとの差別化に努めているが、完全に異なる印象を与えるわけではない。アウディらしい高級感があるものの、丁寧に観察すると、調和を乱すプラスティック製部品もチラホラ見つかる。 登場当初は競争力の高かったインテリアデザインは、新型クーパー Cの登場でアドバンテージが薄れた。運転席からの視界は良好。前席側のアームレストはオプションだ。 上級グレードを指定すると、アルミニウム製トリムや、夜間の充足感を高めるアンビエントライト、快適なレザーシートなどを獲得。説得力が増す。 10.25インチの、メーター用モニターは標準。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応した、インフォテインメント用タッチモニターは8.8インチ。テクノロジー・パッケージでは、10.1インチへ拡大する。 モニターはインテリアへ調和し、グラフィックは美しく、動作は速く滑らか。ロータリーコントローラーは備わらず、走行中の操作は少し難しいかも。 エアコンには、実際に押せるハードスイッチ。トラクション・コントロールやドライブモード用にも残されている。ラジオのボリュームも、クルクル回せるノブで調整できる。ステアリングホイールのリムにも、ハードスイッチ。とても操作しやすい。 後席側は、平均的な大人2名が快適に過ごせるものの、ポロより膝前の余裕は50mmほど少ない。荷室容量は335Lで、ポロより20L小さいが、クーパー Cより100L以上広い。
普段使いで不満ないパワートレイン
それでは、実際に発進してみよう。A2最強の35 TFSIだとしても、際立つほど速いわけではない。とはいえ、3000rpm辺りでターボが効き始め、市街地での利用が中心のコンパクト・ハッチバックとして、普段使いでの不満はないはず。 6速MTはクラッチペダルが軽すぎ、ミートポイントが手前すぎる印象。ギア比がロングで、ちょっと勢いが足りない場面も。7速ATは変速が滑らかで、キビキビとした加速を引き出せる。ただし、高めの回転域でシフトアップされるタイミングは把握しにくい。 ブランドらしい活発さを求めるなら、積極的にアクセルペダルを傾け、変速していく必要がある。高負荷時のサウンドは、聞いていて心地良いものではないが。 より強力な仕様もあって良さそうだが、40 TFSIは英国では2年前に終了済み。これにはポロ GTIと同じ200psの2.0Lユニットが載り、0-100km/h加速を6.5秒でこなした。 30 TFSIは3気筒のビートを放ち、滑らかに回転。数字以上に元気に感じられる。反応は正確で、質感に荒っぽさはなく、6速MTとの相性も良いようだ。