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窪田正孝出演のおすすめ映画10選!寂しさと爽やかさが混ざり合った、言い知れぬ空気感

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CINEMORE

画面にいるだけで、落ち着きと豊かさをもたらす人だ。窪田正孝が出ている作品を観ると、いつもそう感じずにはいられない。 エキセントリックな役でも、純朴なキャラクターでも、人間ドラマでもファンタジーでも、彼は当たり前のように、画面に溶け込んでいる。物語や世界観を片時も壊すことなく、順応する――。まるで、春の夜気のような役者だ。微かに温もりが残る、涼しさ。寂しさと爽やかさが混ざり合った、言い知れぬ空気感。どんなに強烈な表現を披露しようとも、窪田の演技自体は、いつだって恐るべき純度で澄んでいる。 生粋の演技巧者であることは、疑いようもない。しかし、技術以上に「作品にノイズを持ち込まない」彼の個性には、毎度驚嘆させられる。1988年生まれの31歳。2006年にデビューし、芸歴は15年目を迎える。現在ではNHK連続テレビ小説『エール』やマウントレーニアのCMなど、幅広く活躍。そのどれもで、違う表情を見せる。 今回は、窪田がこれまでに出演してきた映画の中から、10本を厳選。正直、先に述べたように「物語にぴったりと寄り添う」タイプのため、選者によって10本の内容は大きく変動するだろう。いちファンの意見として、ご容赦いただければ幸いだ。

窪田正孝出演のおすすめ映画(2012-2015)

3.『ふがいない僕は空を見た』(12) 監督:タナダユキ 142分 映画・ドラマ・CM等、デビュー時からコンスタントに活躍しているイメージの窪田だが、2012年ころからさらに役柄の幅が拡大。大ヒットした実写版『るろうに剣心』(12)での良家の武士役(出演時間は数分だが、主人公・剣心に傷を負わせるキーキャラクターだ)、ジャニーズJr.とAKB48が共演したドラマ&映画『私立バカレア高校』(12)での不良役など、180度異なる役に挑戦。キレのいいアクションも見せている。NHK『平清盛』(12)では、大河ドラマにも出演した。 中でもかなりの異色作といえるのが、この『ふがいない僕は空を見た』だ。R-18文学賞の受賞作の映画化となり、R-15相当の過激な性描写やセンセーショナルなテーマ、『百万円と苦虫女』(08)や『ロマンスドール』(20)のタナダ監督らしい鋭い洞察力が光る。 不妊治療を強要する粘着質な義母、献身性のない夫との日々に疲れ果てた主婦(田畑智子)の唯一の趣味は、アニメキャラのコスプレだった。ある日、理想のアニメキャラと似た風貌の高校生(永山絢斗)と知り合った彼女は、彼と不倫関係に陥る。しかし、インモラルな日々は長く続かず……。 これが前半のストーリーだが、後半になると主人公がスイッチ。窪田演じる主人公(永山)の同級生の物語がメインに移行する。認知症の祖母と二人暮らしで、家計を支えるためにコンビニのバイトや新聞配達を行う苦学生(窪田)。周囲に頭を下げ、我慢してばかりの彼の心に潜む鬱屈した感情が、少しずつ漏れ出ていく。 真っ暗な現実を諦観しつつも、同級生から渡された“施し”の弁当をこっそり捨てるような自尊心を支えとしていた彼が、毒親に貯金を持ち逃げされ、「なんで俺を産んだの」と絞り出すシーン、空腹で朦朧とするなか、なけなしの小銭でチロルチョコを買って食べるシーン、主人公の家に殴り込み、「自分だけ不幸なふりしてるんじゃねぇよ」と感情をぶつけるシーンなど、痛みに満ちた場面に、窪田の突出した表現力が融合。窪田の存在感が高く評価され、各映画賞に輝いた。 なお、窪田とタナダ監督は『ロマンス』(15)でもタッグを組んでいる。 4.『闇金ウシジマくんPart2』(14) 監督山口雅俊 133分 林遣都や中村倫也、菅田将暉、柳楽優弥など、若手実力派が存在を証明してきた『闇金ウシジマくん』シリーズ。山田孝之演じる闇金業者が、債務者を容赦なく取り立てていくサスペンスだ。多種多様なキャラクターが、ほぼ転落人生をたどるというシニカルなつくりで、金の恐ろしさを問う。 窪田の役どころは、指名を取れない新人ホスト。No.1ホストになって豪遊するのが夢だったが、なかなかうまくいかないなか、高校を中退した17歳のフリーター(門脇麦)と出会う。やがて、彼は彼女に大金を貢がせるようになり……。無意識・無自覚の内に他人の人生を破滅させてしまう男を演じた窪田は、ギラギラした欲望と、ピュアな無垢さを微妙な均衡で成立させた。窪田が演じたホストのたどる運命は、本作のドラマ面を担っているといえよう。菅田、柳楽とともに、本作の骨格を任されたキャラクターだ。 なお、前年に公開された『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(13)では、佐藤健とライバル関係にあるミュージシャンをクールに演じている。『るろうに剣心』からの成長をうかがわせる1本だ。ちなみに本作『カノジョは~』には、ブレイク前の吉沢亮の姿も見られる。 ドラマでも影響力が一層増し、『最高の離婚』(13)、『ST 警視庁科学特捜班』(13)、NHK連続テレビ小説『花子とアン』(14)、『Nのために』(14)など多数出演。中でも、榮倉奈々演じるヒロインと“罪の共有”を行う同級生を切なく演じた『Nのために』、吉高由里子扮する主人公に片思いする幼なじみを人懐っこく演じた『花子とアン』の好演で、窪田はますます評価を上げた。この辺りから、窪田の知名度が絶対的なものになっていった印象だ。 5.『予告犯』(15) 監督:中村義洋 119分 『ゴールデンスランバー』(10)、『白ゆき姫殺人事件』(14)のヒットメイカー・中村義洋監督が、生田斗真を主演に迎えた社会派サスペンス。 新聞紙を頭にかぶった謎の男が、動画サイトに犯罪予告動画を投稿。事件を起こした食品加工会社や政治家など、法で裁けないターゲットに正義の鉄槌を下していく。ネット上では救世主扱いされるようになるが、警察(戸田恵梨香、坂口健太郎)の追跡も苛烈になり……。 ネット社会でのビジランテ(自警団)的な男たちの活躍を「賛歌」として描くのではなく、フラットな目線を保ちつつ、その奥にある社会構造に切り込む骨太なエンターテインメント。後半に用意されている哀切な“真実”は、観る者の胸に狂おしいさざめきを起こすだろう。 “予告犯”たちの活動がネットを通して波及し、民衆の意識を変えていくさまも描かれており、窪田が扮する“協力者”は、その代表的存在。出演時間は決して長くはないのだが、作品のテーマ性を象徴するポジションを、真摯な演技できっちりとこなしている。 2015年から2016年にかけては、実写ドラマ版『デスノート』(15)、『THE LAST COP/ラストコップ』『HiGH&LOW』シリーズ、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(16)、『MARS ただ、君を愛してる』(16)などヒット作でさらに磨きがかかった演技を披露。狂気をたぎらせた主人公に扮した『デスノート』での熱演は大いに話題を集め、スタイリッシュなアクションと悲愴な輝きで魅せた『HiGH&LOW』シリーズで、これまで以上のファンを獲得。

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