子どもを望まないことは自分勝手?30代後半の私が考える「親になること」への問い
親になることは、人生において一番大きな決断の一つ。 本記事では、子どもを持つことに対して抱くようになった疑問や、自分の人生を考え直すようになった過程について、ライターとして活動するカトリナ・アイネスさんが綴るエッセイを<コスモポリタン イギリス版>よりお届けします。 【写真】「子どもは持たない」と宣言した40人のセレブ、それぞれの理由と本音
「なぜ母になりたいのか」
火曜日の夜、素晴らしい仲間に囲まれてカクテルを片手にしていた私は、自分が何を望んでいるのかが分かった気がしました。平日の夜にバーに出かけて、深夜まで仲間と笑い合い、自分のためだけにお金が使えるという自由を噛みしめていたのです。 ところがその次の日の昼に友人の一人が出産したという知らせを聞き、ふと「自分の子どもを胸に抱くのはどんな気分だろう」と考えはじめました。私はこの3年間、子どもを持ちたいのか、それとも子どもを持たない生活を望んでいるのかという考えの狭間で生きてきました。 そんな私にも実は、「子どもを持つ人生」に確信を持っていた過去がありました。 6年前、私は30歳を目前にしていて、キャリア、結婚、家族、家の購入など、人生における“成功”のためのチェックリストを一つ一つクリアしていくことがすべてだと考えていました。それが自分の望みだと思い込み、レールの上を確実に進んでいたんです。 でも、結婚をして妊娠に向けて励んでいたころ、左の卵巣に「皮様嚢腫」が見つかり、すべてを中断せざるを得ない状態となりました。 その頃から「そもそも、なぜ母になりたいのか」という疑問を抱くようになったのです。その理由を掘り下げても、「みんなそうしているから」「取り残されたくないから」などといったことが浮かぶばかりでした。 一方で、子どもを抱く友人たちや、食べものまみれで笑っている赤ちゃんの写真をSNSで見たとき、そして近所の公園で女性たちがベビーカーを押す姿を見るたびに「私はこのままで良いのかな」という問いが頭をよぎりました。 私はもうすぐ37歳で、すぐにでも決断を下さなければいけない年でもあります。そこで、人生における大きな決断をどう下せばいいのか、専門家に取材をしてみることにしました。