内野聖陽が可愛い「きのう何食べた?」癒やされる理由
西島秀俊と内野聖陽がカップル役でダブル主演するドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京系、金曜深夜0時12分)が回を重ねるごとに話題となっている。漫画誌「モーニング」(講談社)で連載中のよしながふみ氏による同名の料理コミックが原作。キャスティングの妙味が高い評価を受けている同ドラマだが、とくにルックス的にソフトで甘いマスクの西島と比べ、これまでさまざまな役で男臭さや渋さをかもし出してきた内野の「可愛さ」がドラマを盛り上げている。
ケンジの“乙女”がナチュラルに可愛い
小さな法律事務所で働く雇われ弁護士の“シロさん”こと筧史朗(西島)と、“ケンジ”こと人当たりのいい美容師・矢吹賢二(内野)の同性カップルが、日々の夕食の食卓で向かい合い日常の出来事や想いを語り合う。2人の人生観や、人へのやさしさがじんわり伝わってくる、あたたかな物語だ。 ケンジ役の内野の芝居が、なんとも心地よい。セリフや大げさなアクションでいかにも「僕はゲイですよー」とステレオタイプなアピールをするのではなく、かさぶたの下に流れている血のように、ケンジの乙女な部分を嫌味なくナチュラルに、しなやかに表現している。シロさんと食卓で向かい合ったときの後ろ姿の背中と首のやわらかなラインなど、本当にちょっとした仕草や言葉遣いに、ケンジの想いがにじみ出るのだ。だからこそ、視聴者からも「可愛い」との声が出てくるのだろう。
ほとばしる幸せ感に「癒やされる」の声も
ある意味、2人の食卓が“主役”とあって、野菜の切り方など日常実際に使える調理法やレシピが毎回わかりやすく紹介されるのも人気ポイントという。 先週10日に放送された第6話では、2人がキッチンに並んで仲良く会話するシーンがあったが、シロさんが女性の司法修習生の長森夕未(真魚)の指導役になったことに気を揉むケンジが可愛い。食器を洗いながら、「シロさんにその気がなくても女の子のほうが積極的かもしんないし。あ、俺今度の火曜、美容学校時代の仲間と飲み会でいないんだ。ねー、その子に誘われても一緒にご飯行ったりしないでよ」とクギを刺す。「行かないよ」と心外そうなシロさんに、「気をつけてよ、油断してるとパクッと食われちゃうよ」と、さらに注意を促す。「俺は小動物か」と返すシロさん。そんな日常の一コマに、相手を思いやったり真心を尽くす様子が織り込まれ、幸せ感がほとばしる。ネット上に毎回のように「癒やされる」との声が躍る。
山本耕史、磯村勇斗のカップルも活躍
17日深夜放送の第7話では、シロさんの友達カップルの小日向大策(山本耕史)と“ジルベールみたいな美少年”井上航(磯村勇斗)に、ケンジが初対面する。新宿二丁目で、男性カップル同士の食事会の様子が描かれるわけだが、ケンジはシロさんが友達同士の食事会に初めて自分を連れ出してくれたことがたまらなく嬉しいのだ。また、風邪で寝込んだシロさんを不器用ながら看病するケンジも見られるという。 俳優・内野聖陽が踏み出した新境地を見守りたい。 (文・志和浩司)