佐々木憂流迦が中邑真輔戦を前にして「苦しんでます」「葛藤から抜けた先はたぎるんじゃないですか」【週刊プロレス】
11月23日午後1時過ぎより、都内・渋谷区のABEMAタワーにてNOAH佐々木憂流迦が会見をおこない、1・1日本武道館大会の中邑真輔戦に向けて複雑な心境を語った。 【写真】これが佐々木憂流迦の人生を変えた一戦…グレート・ムタから吸い込んだ毒霧を噴射した中邑真輔 憂流迦は2023年1・1日本武道館大会のグレート・ムタvs中邑真輔戦を見て、総合格闘家からプロレスラーへの転向を決意。約1年間、NOAH道場でイチからプロレスの練習をして、今年1・2有明アリーナ大会の杉浦貴戦でデビューを果たした。7月には史上最速でGHCナショナル王座を奪取するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する中で決まったWWE・SMACKDOWNスーパースターとの一騎打ち。中邑は憂流迦に対して「やっぱチヤホヤされてんじゃねぇのとは思います」「ダラダラ続けてても、望む未来がやってこない」などと辛らつなメッセージを発しており、その言葉に対して憂流迦がアンサーを返した。
――1・1日本武道館に向けて手応えは? 憂流迦「手応えは…苦しんでますね」 ――どのあたりが? 憂流迦「心ですかね。オレ、けっこう取材の時もいろいろ考えるんですけど、今日はまったく考えてないです。ありのままで。その時に感じたものを感じ取ろうとしてる最中です」 ――研ぎ澄まされている状態? 憂流迦「研ぎ澄んでるかどうかわからないですね。心が敏感になってる気がしますね」 ――中邑のYouTubeインタビューは見た? 憂流迦「見ました。もちろん。すぐに見ました」 ――率直にどう感じた? 憂流迦「すごい言ってくれるなって思いましたね」 ――どのあたりに? 憂流迦「感じてることをリングの上で照らし合わせる前に全部言ってくれるからありがたいという気持ちがありながら、まだ足りてない部分をひしひしと痛感してるというか」 ――中邑に見透かされていた? 憂流迦「全部見透かされてるでしょうね。だからこそ、もっともっとやらなきゃなって思いますね」 ――「甘やかされてる」と言われたが? 憂流迦「何も言えないですね」 ――「このままダラダラ続けても望む未来はやってこない」みたいな言葉もありました。 憂流迦「感じてるんですよ。感じてるところをズバズバ言われてたんで。もっとやらないとって時なんでしょうね」 ――具体的には? 憂流迦「どちらかとずっと苦手にしてきたところなんで。苦手にしてきたところを突き破れるか」 ――中邑は言葉のやり取りを仕掛けているようだが? 憂流迦「生きるか死ぬかって言ってましたけど『死ぬ気でいきますよ』としか言えないですね」 ――プロレスラーとか格闘家とかの枠を取り払って素できたらいいという部分が響いた? 憂流迦「響いたのは全部響いたんですけど、格闘家、プロレスラーの前に本名・佐々木佑太の部分がありますし。自分の持ってるところを大きくしていかないと。そこでしかぶつけられないんで。そんなハリボテの“ガワ”のところなんてペシャンってやられちゃうと思う。その部分をいかにしっかりぶつけられるかだと思いますね」 ――苦手な部分とは? 憂流迦「ボクの本当のところみたいなのを出すところに抵抗があった。どちらかと言うと“ガワ”でやる人間だった。そこの部分ですよね。やっぱどこかでセーブしたりするんで。そこはしっかりとタガを外したいなって思ってますね」 ――本当のところとは? 憂流迦「例えば、ネガティブな感情とか負の感情とかも1個かぶせて相手に伝えるんで。そういうところも全部出る」 ――素でやっていない? 憂流迦「素でやってない部分はメチャクチャあるんじゃないですか。こうした方がいいなって頭で考えちゃうのが先なんで。それを取っ払って。子供に戻った気持ちでむき出しでいかないと通用しない」 ――今までの相手には通用していた? 憂流迦「ここでまた1個変わる気がしますね。今までが悪いとかじゃなくて、今のボクには必要と思ってるからそれは必要であって。今までが悪いと思ってなくて必要だと思ってます」 ――中邑とは関係性が深い分、親身に言われていると感じる? 憂流迦「感じますけど、厳しさも感じます」 ――中邑選手は若い頃の自分に重ね合わせていたようなイメージもあったが? 憂流迦「中邑真輔は中邑真輔、ボクはボクなんで。そこは別じゃないですか。かぶせてる気もあんまりしないかな」 ――少年時代に初めて会った話もあったが? 憂流迦「懐かしいですね。10何年前です」 ――中邑も「チヤホヤされてる」と言っていたように普通の新人ではなく、周囲から気を遣われていると感じる? 憂流迦「それは感じますね」 ――もっと気を遣わずにきてほしい? 憂流迦「人に対してもそうですけど、自分自身もそうですよね。甘えてる部分もあると思うんで」 ――先ほど「自分の持ってるところを大きくしていく」という言葉があったが、現在、総合格闘家時代に得意としていたスリーパーを封印しています。そのバランスについてどう考えているか? 憂流迦「プロレスの技とか技術、試合については自分自身伸びてると感じてるんですよ。格闘技の技術を使わずにプロレスの技だけで試合を成立させるっていうのは自分の中で技術はすごく上がってる気がしますけど、またそこの部分じゃない部分が今必要とされてると強く感じてるので。技術的な部分は明日メッチャうまくなりましたなんてないんで。それは本当に積み重ねでしかない。毎回毎回技術的なことはやり続けるしかない。でも、気持ちの部分だったり、そこをしっかり出していくことに関しては、やらないと変わらない部分。ここまででいいやってなってるところはそこまでしかいかないし、超えれないんですね。そこが今、メッチャきつい。辛い部分ですね」 ――ジャック・モリス戦ではいらだちを試合にぶつけたが? 憂流迦「ジャックの試合はよかったはよかったです。ボクの中では感謝したいです。ああいう汚いことをされて腹立つようなことをされて、そこで心を刺激してくれた部分はあるから。ジャックには感謝したいですね。またやりたくないけど(笑)」 ――先週のWWE・SMACKDOWNで中邑真輔が変化を見せてきたが? 憂流迦「あれ、どうなるんですかね。どうなるんですか? あれで来ます? そこがメッチャ気になるところですね。だって、全然違ったじゃないですか」 ――変化した中邑と変化前の中邑どちらがいい? 憂流迦「どっちでもいいと思う。そこは自分の心の準備次第。ボクの心がむき出しでいれば、100%受け取れると思うんで。そこはどちらでも。ただ気になる」 ――心をむき出しにするのが難しいと思うようになったのはいつ頃? 憂流迦「いつぐらいかな。3カ月前ぐらいかな。N-1ちょっと前ぐらいから必要だと感じてて、そこのトライをやって、いい時、悪い時があって、トライ&エラーしつつ。特に最近、1月1日が決まって、急速に必要になってきてる部分ではあるんで。そこに対するトライはより多くなりましたね」 ――この一戦について勝負論をどうやって高めていくか? 憂流迦「プロレス1年目で中邑真輔が勝つだろうって人が多いのはボクでもわかりますよ。でも、ここで『オレがしっかりぶっ飛ばして勝ちます!』みたいなのは、オレは違うと思うんだよな…。闘いだから、しっかり勝ちにいきますけど、自分のすべてを出して爆発させたいと思いますけど、今、感じてるのは単純に勝ちたいんじゃないんだよな。難しいな。世間に憂流迦勝つかもって思わせようと思ってないな。だって、試合って誰しもが勝ちにいってるじゃないですか。そこで誇大して勝ちます!ってなってないな。勝ちにいきたいからこそ、心の部分の準備をしてるわけであって。心の部分とか爆発力的な部分を1月1日の試合前とかにちょっとでも垣間見えたらお客さん側は思うかもしれないですよね。大会数も少なくなってきますけど、一つひとつ出したいですよね。オレにしたら、キーはそこかも。爆発力は心の解放だと思うから。そこの部分を1月1日の前に見せたいですよね。心の解放、爆発ですね」 ――自身を冷静で見て…。 憂流迦「今、冷静じゃないんですよね」