Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「上司に好かれようとする」のが100%ムダな努力である理由

配信

ダイヤモンド・オンライン

 単なる「優秀な部下」にとどまるか、「参謀」として認められるかーー。 これは、ビジネスパーソンのキャリアを大きく分けるポイントです。 では、トップが「参謀」として評価する基準は何なのか? それを、世界No.1企業であるブリヂストン元CEOの荒川詔四氏にまとめていただいたのが、『参謀の思考法』(ダイヤモンド社)。 ご自身が40代で社長の「参謀役」を務め、アメリカ名門企業「ファイアストン」の買収という一大事業に深く関わったほか、タイ法人、ヨーロッパ法人、そして本社CEOとして参謀を求めた経験を踏まえた、超実践的な「参謀論」です。 本連載では、本書から抜粋しながら、「参謀」として認められ、キャリアを切り開くうえで、欠かすことのできない「考え方」「スタンス」をお伝えしてまいります。 【この記事の画像を見る】 ● 好かれようとしても、 「疲れる人生」になるだけ  上司に気に入られなければ参謀は務まりません。  会社というものは、ゲゼルシャフト(目的達成のために作為的につくり上げた集団)ではありますが、上司の立場からすれば、どんなに優秀であっても、好感を抱けない相手を参謀にすることはありません。そのような相手を参謀につけても、コミュニケーション不全に陥り、うまく機能するはずがないからです。  しかし、ここで間違える人が多い。  上司に好かれようとしてしまうのです。もちろん、この世には、生まれもった魅力があって、自然に振る舞っていても周囲の好意を勝ち得る人物はいます。そのような幸運な人は、そのままでおおいに結構。しかし、私を含め、普通の人はそうではないと思っておいたほうがいい。  にもかかわらず、上司に好かれようとすると、上司からも、周囲の人からも、妙な“お茶くみ”にしか見えません。つまり、侮られるわけです。それでは、とても参謀として機能することはできないでしょう。しかも、“疲れる人生”を送らなければならないわけですから、何もいいことはないのです。  ところが、哀しいことに、上司の歓心を買うことによって、自身の保身や出世を図るような人物が、ときに参謀役として位置づけられてしまうことがあります。サラリーマン社会には避けがたく起こることではありますが、私に言わせれば、これは上司の“弱み”につけ込むようなものです。  職位が高くなればなるほど、意思決定に伴う影響や責任が重くなりますから、弱い上司ほど、自分の意思を忖度してくれ、自分に「逃げ道」をつくってくれる人物を求めがちだからです。そういうタイプの上司は、取り巻きを従えて、一見、強そうに見せようとするのですが、そうやって群れていることで、「弱さ」をさらけ出していることに気づいていません。  そして、自身の保身や出世を図るような人物にすれば、その上司の「弱さ」こそ利用価値があります。上司の「弱さ」に迎合することによって、上司は自分に価値を見出すことを知っているからです。そして、「弱い上司」と「保身や出世を図る部下」の、不健全な依存関係が成立するわけです。

【関連記事】