英議会下院、中国の「アルバニア決議」歪曲を否定 全会一致で可決/台湾
(ロンドン中央社)英議会下院は28日、国連における中国代表権を巡る第26回国連総会2758号決議、通称「アルバニア決議」について、台湾に言及しておらず、台湾の政治的地位を処理していないとする動議を全会一致で可決した。これは、アルバニア決議が台湾の地位問題をすでに解決しているとする中国の歪曲を否定した形となる。討論の締めくくりに政府を代表してあいさつしたキャサリン・ウェスト英国外務開発省閣外大臣(アジア太平洋担当)は、アルバニア決議を拡大解釈するいかなる企てにも反対する英政府の姿勢を強調し、拡大解釈は「歴史を書き換える」ことにつながると指摘した。 同様の決議や動議はこれまで、オーストラリア、オランダ、欧州連合(EU)、カナダでも可決されている。 下院はこの日、「台湾の国際的地位」をテーマに討論を行った。討論は国際議員連盟「対中政策に関する列国議会連盟」のメンバーで労働党所属のブレア・マクドゥーガル議員が発議した。 動議では、1971年のアルバニア決議は中華人民共和国が国連における中国の唯一の合法的な代表であることを確立するもので、台湾に対する中華人民共和国の主権を確立していないと指摘。また、アルバニア決議には国連における台湾の地位や国連の専門機関参加に関する記述もないとの内容も盛り込まれた。 動議は併せて、英政府に対し、アルバニア決議に対する立場を明らかにし、中華人民共和国の代表が北京の「一つの中国」原則を支持するためにアルバニア決議の歪曲を企てていることを非難するよう呼びかけた。 (陳韻聿/編集:名切千絵)