まさか同級生が…高校生に増える「校内盗撮」 電子マネーで報酬受け取り、高い依存性
性的部位や下着をひそかに撮影する盗撮が後を絶たない。最近はスマートフォンを使ってアルバイト感覚で盗撮に手を染める高校生らが増え、同級生らが被害に遭うケースが目立っている。しかも報酬は電子マネーで簡単に支払われる場合が多い。身近に潜む盗撮リスクの背後には、犯行をそそのかす大人の存在がちらつく。 【イラストで解説】「道になりたい」側溝男また盗撮で逮捕 痴漢や盗撮の再犯率は高い ■授業中にSNS通じて指示 「もっと近づけて」 「違う角度から撮影しないと、よく見えないよ」 SNS上にリアルタイムで中継されていたのは、ある高校の授業中の動画だ。盗撮されたとみられる女子高校生のスカートの中の動画に対し、アクセスしたSNS利用者から〝指示〟やコメントが次々と寄せられた。 「おそらく女子高生の近くに座っている生徒が盗撮したのだろう」。ボランティアでインターネット上の盗撮画像を監視する「ひいらぎネット」代表の永守すみれさんは、動画を見てこう分析した。 永守さんは「全てを把握しているわけではない」と前置きしつつも、「ネット上に出回る盗撮画像の量は増えているように感じる。子供同士での盗撮も増えている」と推測する。 昨年7月、相次ぐ盗撮を食い止めるための新法「性的姿態撮影処罰法」が施行された。性的部位や下着の盗撮行為のほか、画像・動画の提供やSNSなどでの拡散も処罰対象とした。 同法違反(撮影)罪は3年以下の懲役、または300万円以下の罰金となる。盗撮行為はこれまで都道府県の迷惑防止条例などで規制されていたが、処罰法で全国一律で禁じられることになった。 警察庁の調査によると、令和5年の盗撮に関する摘発件数は6933件(処罰法の撮影罪1203件、迷惑防止条例違反5730件の合計)で、処罰法が施行される前となる元年の3953件(条例違反のみ)の約2倍に達した。 ■リアリティー追及し、個人情報も同時に添付 特に、増加傾向にあるとみられるのが未成年者の盗撮行為だ。 犯罪精神医学の専門家として2000人以上の性加害者を治療してきた性障害専門医療センター(SOMEC)代表の福井裕輝医師は「センターを立ち上げた約十数年前と比べると、盗撮の加害者として診療に訪れる未成年者は20倍ぐらい増えたように感じる」と語る。