まさか同級生が…高校生に増える「校内盗撮」 電子マネーで報酬受け取り、高い依存性
盗撮に手を染める未成年者のうち、被害者の大半は男女共学の学校に通う女子高生だという。盗撮する男子生徒は教室のロッカーにスマホを隠し、着替えている女子高生を撮影したり、女子トイレに小型カメラを設置したりして犯行に及ぶという。永守さんは「早朝に登校して盗撮の準備をしているようだ」と指摘する。
盗撮された被害者が「女子高生」と信じてもらえるよう、被害者本人と思われる卒業アルバムの顔写真や証明写真を盗撮画像と合わせて、ネットに投稿する悪質な例もあるという。
永守さんは「盗撮画像が本当に高校生のものだというリアリティーを持たせるための情報として、個人を特定できる情報が流出している」とも語る。
■罪の意識薄く依存体質に
厳罰化されても盗撮に及ぶきっかけはどこにあるのか。
10代は性に目覚める年代だ。何気なく性的な話題をSNS上で検索しているうちに、ネット上で「おすすめ」として提供されたサイトに盗撮画像が混じるケースが多い。永守さんは「画像を目にすると、さまざまなコメントも同時に読むことが多く、自身の承認欲求をくすぐられた男子生徒らは『今度は自分も』と思い、行動に移してしまうことが多い」と指摘する。
盗撮画像はネット上だけにとどまらない。売買に発展する「商品」でもある。
永守さんによると、盗撮画像・動画は1つあたり数十円~数千円で取引され、支払いは電子マネーが多い。大人が盗撮機材や盗撮するタイミングなど、手口をアドバイスする書き込みもサイト上にあるという。複数枚を売ることができれば、未成年にとっては大金になることもある。
とりわけ中学生や高校生の女子生徒の盗撮画像は付加価値が高く、「プレミア化している」(永守さん)という。学校は誰でも自由に出入りできる空間ではないからだ。一度ネット上にアップされた画像はコピーされ、加速度的に拡散する。
盗撮された被害者は画像をもとに脅迫されたり、ストーカーにあったりして被害が拡大する危険性がある。被害者の人生を狂わせる重大な犯罪だ。