好調なのになぜ大刷新? 「ブレンディ」スティックの3R戦略とは おうちカフェ徹底追求 製品プロモーションで“買う楽しみ”も
味の素AGF社は、スティック市場を創出し同市場の右肩上がりの成長を牽引している「ブレンディ」スティックを大刷新した。 スティック市場は昨年、暖冬の影響を受けながらも成長を続け市場規模は現在330億円と推定。その約5割のシェアを握る「ブレンディ」スティックも好調を維持しているが、この秋冬に向けて大幅リニューアルに踏み切った。 その狙いは、端的に述べると、生活者に寄り添いながら成長を加速させることにある。味わい・パッケージの双方で生活者の変化を微細に分析した上で改良を施し“おうちカフェ”のさらなる充実化を目的とした施策を用意した。 AGFでは、「ブレンディ」ブランドをRest(休息)・Relaxation(安らぎ)・Refreshment(気分一新)からなる3Rの象徴と位置づけている。 この3Rを推進していく上で、今回の刷新を含めた秋冬施策のポイントを述べると(1)注がれるお湯の量の増加(2)家庭内滞在時間の長期化(3)製品プロモーションによる買う楽しみの演出――の3つに絞られる。 加えて、省資源化を図るとともにパッケージに4C認証ロゴマークを導入してエシカルの取り組みも強化した。
まず、注がれる湯量については、同社が毎年定期的に行っている消費者調査の結果、15年~19年の5年間で約10%増加したことが判明。 これについて、取材に応じた高地祐史リテールビジネス部マーケティング第1グループグループ長は「湯量140mlで設計された商品が多数を占める中、『ブレンディ』はもともとマグカップサイズの180mlに対応した設計になっているが、一回に飲まれる量がさらに増えている」と語る。 その一因に、ボトル缶やペットボトルによるチビダラ飲みが様々なシーンで広がりをみせていることを挙げ、これを受けて旗艦アイテムの「カフェオレ」を中心により濃厚な味わいへと磨きをかけた。 「『カフェオレ』を一番大きく刷新し他のフレーバーの濃度感もアップさせた。当社の独自技術でコーヒーとミルクの両方を絶妙のバランスで強くすることで増加する湯量に負けない濃い味わいにすることができた」と説明する。