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ラサール石井&翻訳家・鴻巣友季子 “役者”と“訳者”の共通点を語り合う

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禁酒法の時代に、こっそり営業していたBAR「SPEAKEASY」。2020年の東京の街にも、そんなひそかなBARがありました。月曜から木曜の深夜1時にオープンする“ラジオの中のBAR“「TOKYO SPEAKEASY」。各界の大物ゲストが訪れ、ここでしか話せないトークを展開するとか、しないとか……。 TOKYO FMの番組「TOKYO SPEAKEASY」7月20日(月)のお客様は、タレントのラサール石井さんと翻訳家の鴻巣友季子さん。ワインが大好きなお2人が、ワインを飲みながらじっくり語り合ったこととは?

◆ラサール石井、大学時代はオリジナルギャグミュージカルを手掛け…

鴻巣:ラサールさんは大学生のときからお芝居をやっていたんですよね? ラサール:そうですね。大学ではミュージカル研究会というのに入って。そこで台本を書いて出演もしていました。お笑いが大好きで5歳からお笑いを観ていましたから、(お笑いを)やりたかったんだけど、自分にはお笑いは無理だと思っていたんです。なぜかと言うと、(出身が)大阪なので、クラスに俺より面白い奴がいるんですよ。それなら作家になろうと思って。で、自分の書いた台本にギャグをいっぱい網羅して、ギャグミュージカルにして、自分も出てやったらウケたんですよ。 鴻巣:え? オリジナルでミュージカルをやっていたってことですか? ラサール:そうです。早稲田ミュージカル研究会は、すべてオリジナルです。作曲も作詞も全部。で、「ウケるじゃん、ひょっとしたら俺、できるかな?」と思ってテアトルエコーの養成所を受けた。

◆役者と訳者の共通点って?

鴻巣:私、昔から勝手に役者さんと、訳者(翻訳者)って共通するものがあるなって思っていて。例えば、私は訳しているときってけっこうシンパシーの逆で、「アパシー」っていう(無感覚)状態。あんまり何も感じない状態になるんですね。 私が訳しているものって、「嵐が丘」にしても何にしても、けっこう感じの悪い登場人物が多いんですよね。セクハラ大学教授とか、超わがままなお嬢様とか。そんなのばっかりなので、「よく(登場人物たちに対して)怒らずに訳せるね」って言われるときがあるんですけど。私は登場人物を好きにも嫌いにもならないんですよ。怒りもしないし。 で、どちらかと言うと役者さんというよりも、舞台の裏にいる技術さんとかに近いのかな。舞台を成立させるためには、例えば役者さんがすることに対していちいち泣いたり笑ったりしていたらダメじゃないですか。 ラサール:もちろんそうです。自分もそうですけどね。 鴻巣:次は照明をどうしようとか、このキャラクターの感情や性格が1番よく伝わる、その人が輝くには、どこからどういうふうに見せたらいいのかって考えるのが、翻訳者の役割なので、怒りも泣きもしないんですよね。役者さんはどうなんですか? ラサール:たとえば恋愛をする役のときに、「(恋人役である)この女優さんはひょっとして俺のことを好きなんじゃないかな?」と思っても、終わって次に会ったときにそのことをまったく覚えていない、みたいな顔をされたりと、そういうことはありますけど。でも基本的には演じているときには、“もう1人の自分”が自分をちゃんと見ていないと。 鴻巣:あ、それはすごく訳者(翻訳者)に似ています。 ラサール:客観性がないとやっぱりダメなんだね。我を忘れて動いていたら、「お前、何やってんだ?」って言われますから。だから役者と訳者っていう……すばらしい。 鴻巣:本当にシャレみたいなんですけど(笑)。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」7月20日(△)放送より)

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