内臓の腫瘍が破裂して「死を覚悟した」という中江有里、搬送の様子と“更年期のリアル”を語る
自宅で、倒れ込むほどの痛みに襲われたら……。俳優で作家の中江さんは、昨年、腎臓にできた腫瘍が突然破裂し緊急手術を受けた。誰にでもできる可能性があり、破裂すると命に関わることもあるというこの腫瘍。事前に防ぐことはできるのか、またその治療、回復に至った経緯についてお話を伺った。 【写真】大の“虎党”だという中江有里、球場で応援している様子をSNSに数多く投稿 「1秒前までは何ともなかったのに、突然、腹部の激しい痛みに襲われて、『私、このまま死んじゃうんじゃないかな』と思いました」
死を意識……“内臓にできた腫瘍”の破裂
そう自身の経験を話すのは、俳優、作家、歌手として活躍中の中江有里さん。実は中江さん、40歳のときに受けた人間ドックをきっかけに、腎臓に良性の腫瘍が見つかっている。 「『腎血管筋脂肪腫』という病名です。その名のとおり、血管や筋肉、脂肪でできている腫瘍で、それ自体は特に悪さをするものではないんですね。主治医からは、一番のリスクは破裂することで、腫瘍の大きさが4センチを超えるとそのリスクが高まると説明を受けました」 40歳の時点で中江さんの腎血管筋脂肪腫は5センチ。そのため、カテーテルを使った処置を受けたそうだ。 「破裂しないように、腫瘍に栄養を送っている血管をふさぐ手術を受けました。その後は年に一度、検査を受けて経過観察をしていました」 だが、新型コロナウイルスの影響により経過観察を先延ばしにしていたという。 「私の場合、腎血管筋脂肪腫は何の自覚症状もなかったんですね。ちょうど病院に行こうとしていた時期に新型コロナウイルスの感染拡大が重なったので受診を控え、そのまま3年近く過ぎました」 中江さんが激痛に見舞われたのは2023年7月末のことだった。 「とにかくこれまで経験したことがない尋常ではない痛みで、その場に倒れ込みました。痛みの波が少し引いたときに、すぐ近くにあったスマートフォンまで這っていって、家族に連絡し、救急車で搬送されました」 搬送先は腎血管筋脂肪腫の診察を受けていたかかりつけの病院だった。 「すでに私の病気に関するデータがそろっていたこともあり、早い段階で腎血管筋脂肪腫の破裂と診断されたそうです。おそらく搬送されて2時間以内には、以前と同じ手術が始まったように記憶しています」 腎血管筋脂肪腫が破裂すると体内での出血が続き、治療が遅れると命が危険にさらされてしまう。 「私の場合、搬送された時点でかなりの貧血状態でした。もし、仕事で遠方に出かけていたり、飛行機や新幹線で移動中に破裂していたら、搬送が遅れていたかもしれません。そう考えると、自宅で破裂し、かかりつけの病院に搬送されてすぐに治療を受けられたことは、不幸中の幸いだったと思います」 9日間の入院を経て退院することができた中江さんだが、特に初めの3日間はつらかったと振り返る。 「熱があって、食べられないのに吐き気に襲われて、眠ることもままならないような朦朧とした状態でした。私は阪神ファンなので、横たわりながらラジオで野球の放送を聴くのが唯一の楽しみでした。実際、阪神が勝つと気分的にちょっとラクになるような感覚があったんです」