「ウルトラマンの聴力は人間の400億倍」と柳田理科雄氏 その検証を元に「音の伝わる速さ」 を考察
ウルトラマンの聴力が驚異的な数字に! 今回は「音の伝わる速度」について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、柳田理科雄氏の記事を用いながらラジオ番組のなかで解説しました。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 『空想科学読本』で有名な柳田理科雄氏の記事「最高視力は18万!五感を研ぎ澄ませ過ぎたヒーロー&怪獣たちの超能力」(「EMIRA」掲載)に、こんな内容があります。 特撮『帰ってきたウルトラマン』のウルトラマンジャック。その聴力は、「200キロ先の針の落ちる音も聴こえる」という設定なんだそう。そこで柳田氏自ら、針を落として実験を行ったところ、人間が針の落ちる音が聞こえる限界は1メートルほど。そこから計算して、距離200キロメートルということは、ウルトラマンは、人の20万倍も遠くの音が聞こえるということになるそうです。 さらに、音は同じエネルギーで広がっていくわけではなく、距離が離れるほどに、どんどん少なくなっていきます。そのことも踏まえると、ウルトラマンは、人間のなんと400億倍も耳が鋭敏、とのことでした。 音の伝わる速度は、光よりもずっと遅いものです。音波は、温度が摂氏15度のときには、1秒間に約340メートル進むと言われています。時速だと約1200キロメートル程です。新幹線よりは早いですが、光や電波は1秒間に約30万キロメートル進むと言われていますので、音は光よりもずっと遅いことになります。 雷が光ってから、ドーンという音が聞こえるまでの時間と考えるとわかりやすいと思います。雷が光ってから3秒後に音が聞こえた場合は、340メートル×3で、およそ1キロメートルの距離があると考えられます。雷が光ってすぐに音が聞こえた場合は、すぐ近くに落ちたということになります。 ウルトラマンの聴力が「200キロ先の音が聴こえる」ということは、音のエネルギーが失われなかったとして、200キロメートルも離れたところからだと600秒、つまり10分かかるという計算。ウルトラマンに助けを求めて200キロ先にいた場合には、10分くらいで気付いてくれる計算になります。 他にも柳田理科雄氏の『空想科学読本 3分間で地球を守れ!?』では、「ウルトラマンの活躍時間は3分間。それで地球の平和を守れるのだろうか?」という検証が。 また、音に関する内容では『空想科学「理科」読本 エネルギー・地球編』に、「身長10センチの少女アリエッティの声は何ヘルツ?」という興味深い内容も載っています。 《参考》 ◆「最高視力は18万!五感を研ぎ澄ませ過ぎたヒーロー&怪獣たちの超能力」/柳田理科雄(エネルギー視点で未来を考えるメディア「EMIRA」より) ◆『PA入門 基礎が身に付くPAの教科書』(小瀬高夫・須藤浩、リットーミュージック) ※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』 2022年5月22日放送回より
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