鹿児島城西との強豪対決は土壇場で勝ち越しに成功した国見が勝利
2月20日に開幕した第42回九州高等学校(U-17)サッカー大会。第2試合では第3ブロックの国見と鹿児島城西が対戦(試合は30分ハーフ)。ゴールの奪い合いになった注目の強豪校対決は最終盤にドラマが待っていた。 【フォトギャラリー】国見 vs 鹿児島城西 まず、先手を取ったのは国見。キックオフ直後の2分にP Kを獲得すると、FW本川璃空(2年)が決めて早々にスコアを動かした。以降も国見は粘り強い守備から素早いカウンターを仕掛け、2点目を狙っていく。 一方の鹿児島城西は序盤から相手の守備に手を焼き、思うように前へボールを運べない。しかし、徐々にペースを取り戻すと、11分に右C Kからチャンスを獲得する。DF川原琉翔(2年)がゴール前に入れると、CB浜崎聡馬(2年)が頭で合わせて同点に追い付いた。これで流れを引き寄せると、攻撃が活性化。両ウイングバックのMF田中樹(2年)、MF是枝大翔(2年)も積極的に高い位置を取り、縦にボールを運んだ。 その中で迎えた後半。押し込まれていた国見が33分に好機を得ると、ゴール前でDF村田一翔(1年)が相手のクリアをカット。そのままシュートに持ち込み、左足で逆転弾を決めた。しかし、国見はこのリードを守り切れない。41分、川原のロングフィードから前田隼希(1年)に抜け出されると、GK緒方要(2年)が交わされて同点ゴールを決められてしまった。 ここから国見は再び勝ち越しを目指して攻撃を展開。FW北村一真(1年)を起点にサイドと中央を使い分けながら、敵陣の深い位置まで侵入していく。だが、肝心なゴールが奪えない。それでも国見は諦めず、アディショナルタイムに入っても攻撃を続けた。そして、迎えたラストプレー。本川がゴール前でラストパスを送ると、左SB高木祐介が左足を一閃。これがネットに突き刺さり、土壇場で勝ち越しに成功した国見が勝利を手にした。 初戦を白星で飾った国見。1月24日の県新人戦決勝後は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により県全体で練習試合を見合わせたため、実戦が行えない状況が続いた。そのため、今大会のメンバーも普段の練習をベースに選考。木藤健太監督も「練習を見ながらコンディションでメンバーを決めた。試しながら手探りでしたね」と苦労を滲ませた。その中で掴んだ勝利は大きな意味がある。今大会を通じてさらに自信を深められれば、更なる飛躍も見えてくる。上位1チームが挑む決勝トーナメントに進出できれば、成長の可能性が広がるのは間違いない。21日に行われる予選リーグ最終戦で勝利を手にし、強豪復活の狼煙を上げられるか注目だ。 (文・写真=松尾祐希)