最貧国支援のIDAや国連の運営に懸念も トランプ新政権で国際支援に不透明感
世界の経済格差が深刻な課題となるなか、来年1月に発足するアメリカのトランプ政権が国際機関への支援を縮小する懸念が生じています。 世界銀行グループで最貧国の支援を担当するIDA(国際開発協会)は来月、韓国で会合を開き、増資交渉が大詰めを迎えます。 IDAは最貧国に対し、先進国などが支援する国際的枠組みで、原則3年に1回、支援額を決めます。 拠出額1位のアメリカは18日、バイデン大統領が前回を上回る40億ドル(約6200億円)の拠出を表明しました。 しかし、議会の承認はトランプ政権の発足後となる見通しでこの額を拠出できるのか不透明です。 トランプ氏が政府効率化省のトップに起用するイーロン・マスク氏は「規制撤廃」「行政組織の縮小」「コスト削減」を進める考えで、このなかに国際機関への無償供与削減も含まれています。 アメリカの支援縮小が懸念されるなかで、IDAの拠出額2位の日本の役割が重要になりそうです。 一方、国連も警戒感を強めています。 ロイター通信によりますと、国連が最も心配しているのはトランプ政権がアメリカがトップの国連分担金を減額するほか、WHO(世界保健機関)や気候変動対策の枠組み「パリ協定」から脱退することだということです。 アメリカの支援縮小は、現状の国際支援や国際機関のあり方に大きな影響を及ぼします。 トランプ政権下の国際社会で日本は、どう存在感を示していくのか問われることになります。
テレビ朝日