石破首相は「ネット民に大人気」のはずが就任早々「大炎上」… 右からも左からも批判殺到で「四面楚歌」になった理由
高市氏の支持層が反発
「総裁選に出馬した候補者のうち、石破さん、高市さん、小泉さんの3人は知名度が群を抜いていました。世論調査で3氏が上位に位置した理由でしょう。一方、ネットに目を転じると、高市さんなら“保守”、小泉さんなら“セクシー”や“構文”といった、代名詞的なキャッチフレーズが存在しました。ところが石破さんには何もありません。『石破さんはネット民に人気がある』と一部のメディアが過去に報じましたが、事実は違ったのです。そしてSNSのユーザーが『新総裁に選ばれた石破さんってどんな人!?』と戸惑ったことが、今回の炎上と密接な関係があると考えています」(同・井上氏) 今やXを使いこなす高齢者も少なくない。SNSを中心に作られる“ネット世論”も、老若男女の多様な意見が反映されている。大手メディアが実施する世論調査の回答母集団と、明確な違いがあるわけではない。むしろ、ほとんど同じだと言って過言ではないという。 「にもかかわらず、石破さんだけは“ネット世論”と世論調査の数字には相当な乖離が認められます。このことから『SNSを日常的に使う人』は石破さんへの関心が低く、『SNSを使っても投稿まではしない人』や『SNSを日常的に使わない人』に石破さんの支持層が存在するのでしょう。自民党の新総裁が決まった瞬間、石破さんに関心の乏しいXのユーザーは戸惑ったと考えられます。そして最初に投稿を行ったのは、高市さんの支持層でした。彼らが石破批判を繰り広げたことがネット世論の形成に大きな影響を与えました」(同・井上氏)
野党の支持層も参戦
高市氏の支持層は、もちろん普段は自民党を支持している。だが石破総裁が誕生すると、従来の主張を変えたという。 「高市さんはネットで人気があります。高市さんを支持する人たちの投稿も注目され、拡散力も高い傾向があります。そして一部の高市さんの支持層は総裁選の結果を受け、『石破さんを選んだ自民党に失望した。今回だけは自民党ではなく、他党に投票しよう』と呼びかけたのです。むしろ自民党は総裁選でお灸を据えられ、下野したほうがいい。かえって高市さんのチャンスになる。野党になれば石破さんは総裁を辞任し、次は高市さんが選ばれる。高市総裁の元で自民党の再編成を行い、政権を奪取して高市首相を誕生させるのだ──という意見が相当な数に達したのです」(同・井上氏) 当然だが、ネットユーザーは自民党支持層に限らない。立憲民主党や日本維新の会など、野党の支持層も多い。 自民党支持層のうち、いわゆる“保守派”や“最右派”のネットユーザーが石破批判に転じると、それに続いて野党の支持層も参加した。