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レアル優勝の鍵はアザールと絶好調ビニシウスの共存

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日刊スポーツ

レアル・マドリードは、約40日間で11節を戦うハードスケジュールのスペイン1部リーグにおいて、再開後の5試合全てに勝利している唯一のチームとなっている。 【写真】レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督 リーグ戦中断前の最後の試合となった3月8日のアウェー、ベティス戦に1-2と敗れ、クラシコで奪回した首位の座をわずか1節で失った。現地メディアに「今季最低のゲーム」と酷評され、悪いイメージを残したまま長い中断期間へと突入していた。 しかしリーグ戦再開後、エイバル、バレンシア、レアル・ソシエダード、マジョルカ、エスパニョール相手に全勝し、11得点2失点、3試合無失点という素晴らしい成績で、再び輝きを取り戻している。 この成功の要因として最も大きいのは堅固な守備だろう。それは数字にしっかりと表れている。第32節終了時点での失点数は21(1試合平均0・66失点)、無失点試合数は16でともにリーグトップ。さらにGKティボー・クルトワの1試合平均失点は0・62(29試合18失点)で、サモラ賞(1試合平均の最少失点GK賞)を4季連続で受賞したアトレチコ・マドリードのスロベニア代表GKヤン・オブラクを抑えトップになっている。 攻撃面では、クラブ史上において1シーズンのリーグ戦最多となる20選手が得点を記録しているという事実が際立っている。最後に得点者リストに名を連ねたのは、第29節バレンシア戦で11カ月ぶりの戦列復帰を果たし、途中出場からわずか30秒でゴールを決めたアセンシオだった。 チームのリーグ戦得点ランキングトップはクリスティアーノ・ロナウド退団後、チームの攻撃を支え続けているベンゼマで17得点、2位は第30節Rソシエダード戦でロナルド・クーマンの記録を抜き、スペイン1部リーグ史上の最多得点DF(通算69得点)になったばかりのセルヒオ・ラモスで8得点。またラモスは第31節マジョルカ戦で芸術的なFKを決め、新たな才能を開花させている。 また、ジダンは選手をローテーションしながら起用し、さまざまなシステムを用いている。 レギュラークラスの選手を軸に、試合ごとにシステムを4-3-3、4-4-2、4-2-3-1と変え、ロドリゴ、ハメス、ベールなど、リーグ戦中断前に出番の少なかった選手たちもサプライズで先発起用している。 そのような状況の中、ケガから復帰してきた絶対的なレギュラーであるエデン・アザールと絶好調のビニシウスをどのように起用するかが、現在のジダンの大きな課題となっている。 当初、アザールにとって左サイドが聖域であったため、ビニシウスはこれまでに何度か右サイドでテストされたがうまく機能せず、両選手の共存は難しいとみられ、実際にジダンは常にアザールを優先してきた。 しかしアザール不在時、チームの攻撃をリードし、日々重要度を増しているビニシウスを放っておけなくなったジダンは「ビニシウスのポジションはエデンの場所だが、彼らは試合で一緒にプレーすることができる。私はそのことに何の疑問も持っていない」と語り、マジョルカ戦で両選手を初めて同時に先発起用した。 FW4選手(ベンゼマ、ベール、アザール、ビニシウス)を前線に配置した4-2-3-1の超攻撃的布陣の中、本来のポジションである左サイドでプレーしたビニシウスが先制点を決めて輝きを放った一方、トップ下に入ったアザールは若干窮屈そうにプレーしたため、2選手の共存がうまくいったとは言い難い。改善の余地があるだろう。 アザールについては、ここまでわずか1ゴールによる得点力不足を指摘する声が出ており、まだプレミアリーグ時代の姿を取り戻せていないことは気がかりだが、ジダンは「彼のゴールについては心配していない。彼がチームにもたらしているものに我々は満足している」と擁護した。 短期決戦の中、類いまれな才能を持つ選手たちの個性を殺さず、どのように共存させるか? 3シーズンぶりのリーグ優勝に向け、堅固な守備を築き上げたジダンの監督としての手腕がさらに試されることになる。 5戦全勝で快進撃を続けるRマドリードだが、この成功にチーム外の力が働いているという意見が出ている。微妙な判定を巡って対戦相手などから不満の声が上がっており、バルセロナのジェラール・ピケは第30節でセビリアに引き分けた後、「我々がリーガで優勝するのは非常に難しい。最初の2節を見る限り、Rマドリードが勝ち点を落とす可能性は低いからね」と発言した。これはピケが弱音を吐いたように聞こえるが、実際には判定で恩恵を受けているRマドリードに対する皮肉と伝えられている。 一方、ラモスはこの件について「生み出されている全ての騒音は我々が首位だからだ。以前、首位でなかった時はそんなに話されていなかった」と反論した。 3位以下を大きく引き離した“永遠のライバル”2クラブによる一騎打ちの軍配はどちらに上がるのか。あと3週間以内に優勝チームが決定することになる。【高橋智行通信員】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)

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