中国鉄道メーカー、国際鉄道見本市で「水素車両」を積極展開の裏側 進出難航の「欧州向け」は出展せず
ハンガリーは中国に協力的な立場を取っているため、仮にもし欧州市場に参入できるとすれば、まずはハンガリーからスタートする、という流れになるだろう。 ただ、鉄道の市場はヨーロッパだけではない。イノトランス会場のCRRCのブースは奇しくも日立のすぐ隣であったが、ブース面積では日立の倍近い大きさを誇るのに、終日通行が困難なほど人が通路にまで溢れ返っている日立に対し、CRRC側の訪問客は中国人が中心で、案内する社員も少々暇を持て余しているかのように、ベンチに腰を下ろしている姿が対照的だった。
可能性の薄いビジネスに賭けるより、より利益を見込める市場へアピールしたほうが、長い目で見た場合、同社にとってはよい選択になるのではないだろうか。
橋爪 智之 :欧州鉄道フォトライター