子どもが「どうしても県外の大学に行って一人暮らしをしたい」と言いますが、わが家にそこまでの余裕がありません。子どもにアルバイトがんばってもらえばなんとかなりますかね?
子どもが県外の大学への進学を希望する一方で、家庭の経済的な事情からその実現が難しいと感じている親御さんは少なくありません。 特に一人暮らしが必要になる場合、その費用負担は家計に大きな影響を与えることがあります。では、子どもにアルバイトをがんばってもらうことで、現実的に県外進学が可能になるのでしょうか? 本記事では、進学にかかる費用やアルバイトで生活費を賄える現実性、さらに家計負担を減らすための支援制度や奨学金について解説し、家族みんなで夢をかなえるための方法を考えていきます。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
県外大学への進学にかかる費用はどれくらい?
県外大学に進学し、一人暮らしを始める際には、学費や生活費、住居費など、さまざまな費用がかかります。その総額は家庭にとって、大きな負担となることもあります。図表1は、一般的に必要とされる費用の目安をまとめたものです。
※1 出典:文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」にもとづいて筆者作成 ※2 出典:全国大学生活共同組合連合会「第59回学生生活実態調査 概要報告」にもとづいて筆者作成 図表1から分かるように、年間の総費用は国公立大学で約150万円、私立大学では約300万円を超えることもあります。家庭での負担を軽減するためには、この総額を把握したうえで、費用ごとの優先順位や工夫できる部分を検討することが重要です。 特に住居費や生活費については、地域差が大きいので、大学周辺の環境を事前に調査することをおすすめします。
アルバイトで生活費を賄えるのか? 子どもに求める現実的な負担とは
全国大学生活共同組合連合会の「第59回学生生活実態調査概要報告」によると、大学生のうち下宿生のアルバイトによる平均月収は、3万6110円です。 地域や勤務時間にもよりますが、食費や光熱費などの生活費の一部を賄うことは可能です。ただし、学費や家賃といった大きな支出すべてをカバーするのは難しいのが実情です。 また、大学生のアルバイトの就業時間は平均して、週に12.1時間という結果がでております。ただし、アルバイトの時間が増えることで学業や課外活動に支障がでるリスクも考えなければなりません。実際にはアルバイトで月数万円を稼ぎ、親が学費や家賃を補助する形をとる家庭が多いようです。 このように、子どもと家計の負担を分担しながら進学を目指す方法は、親子双方にとって無理のない選択肢といえるでしょう。アルバイトの収入がどのくらい期待できるのか、また学業との両立が可能かどうかをしっかり話し合うことが重要です。