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「新型コロナ問題」と「経済学」に共通する難題

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東洋経済オンライン

森田長太郎氏は2019年秋に著書『経済学はどのように世界を歪めたのか』(ダイヤモンド社)において、マクロ経済学者たちの国家、政府への積極的な関与、「サイレント・マジョリティ」の拡大によりポピュリズムと経済政策が結びついてきた過程を分析し、政策決定プロセスを再検討すべきとした。今回の新型コロナ騒動でも同様の問題が浮上したという。すなわち、「素人」である私たち市民が、「専門家」の持つ「専門知」を社会や政策にどのように結び付けていくのかという方法論、そこに「メディア」が果たす役割に大きな課題を残したと指摘する。

 今回の新型コロナ問題に関して、筆者も一生活者として、この数カ月間、社会が騒然とした状況に陥っていることを実感している。金融市場や経済の分析を業としている立場からすると、この騒然とした状況が、感染症という自然科学的事象の範囲を超えて、ある種の社会的事象に拡大していることにも関心を向けざるをえない。  新型コロナをめぐる問題にも、筆者の仕事に直接、間接に関係する「経済学」という学問が内包する複雑な問題と共通する要素が存在している。これが今回のコラム執筆のきっかけであり、キーワードは「専門知」、「専門家と素人」、そして、「メディア」である。

■「ワイドショー」は統一見解を流し続ける  筆者も、所属する会社から4月以降テレワークを推奨され、現在に至るまで週に何日かは在宅で仕事をしている。それまでは自宅で取ることのなかった朝食や昼食の折に、今までほとんど見る機会のなかったテレビの「ワイドショー」というものを目にすることが多くなった。この昼間のワイドショーなるメディアを毎日見続けていると、新型コロナウイルスへの警戒感や恐怖心で次第に鬱屈した気分になってくるという経験をした人も多いのではないか。

 ワイドショーの大きな特徴は、すべてとは言わないがその多くで、伝える内容が1つの方向に統一されていることである。  例えば、「新型コロナウイルスは恐ろしい感染症で誰もが命の危険にさらされており、日本は未曾有の危機に直面している」、「PCR検査数が少ないこと、緊急事態宣言が遅れたこと、財政支出が不足していることなどはすべて政府の政策ミスである」、「日本中すべての人や企業がコロナの影響で深刻な経済的ダメージを受けている」というような、いわば「統一見解」が連日のように電波に乗せて伝えられている。

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