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視界を横切る“黒い影”で視力障害に!? 本当に怖い「飛蚊症」の見分け方とは

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文春オンライン

 暑かった夏がようやく終わり、秋の気配が訪れた日本列島。  なのにまだ蚊が飛んでいるところがあるとか……。 【画像】飛蚊症はどうして起こってしまうのか  その場所は、目の中。  眼球を動かすと、その動きを追うように、少し遅れて黒い“影”がゆっくりと視界を横切っていく。じつにどうも、鬱陶しい。 「ヒブンショー」と呼ばれるこの症状、加齢現象の一種ではあるものの、時に重大疾患が潜んでいることもあると言います。  いったいどんな病気なのでしょう。

目を横切る“黒い影”

 埼玉県に住むR子さん(36)がその“影”の存在に気付いたのは、会社でパソコンに向かっている時だった。  画面の下のほうを、右から左に向かって、ゆっくりと、小さな影がスーッと横切っていく。虫が出たかとギョッとしたが、凝視しようとするとどこかに消える。  しかし、また画面に目をやると、その下のほうをスーッと黒い影が通り過ぎる。  目をオフィスの壁に転じると、視線よりやや下のほうを、目の動きにやや遅れるようにして“影”がついていく。しかし、その影を凝視しようとすると、やっぱりどこかに消えてしまう。  悪い病気か、あるいは何かの霊かと思って同僚の男性スタッフに相談すると、 「ヒブンショーだろ? 俺もあるよ」  と、事もなげに答える。  帰宅して夫に相談すると、 「ヒブンショーだろ? 俺もあるよ」  と答える。 「みんなが知っていて、みんなが持っているヒブンショーって、一体何なの?」  とうろたえるR子さんの疑問に、埼玉県川口市にある「川口眼科」副院長の蒲山順吉医師が答えてくれた。

飛蚊症の正体は…

「ヒブンショーは“飛蚊症”と書きます。眼球の大半を構成する“硝子体”の一部が濁ったり、縮んで網膜の一部から剥がれたりして眼球の中を漂っているのです。症状は個人差があり、黒いテントウムシのようなものが一匹だけゆっくり動いていたり、もっと小さなゴマ粒のような黒点が一斉に広がって行ったり、黒い煙のようなものがゆらゆら揺れて見えることもあります」(蒲山医師、以下同)  まずは目の構造をおさらいしておこう。  目から入ってきた光は、角膜、瞳孔、水晶体、硝子体を経て一番奥の網膜に照射される。網膜の中でも一番中心の狭い領域を「黄斑」と呼ぶ、黄斑で得た情報は視神経を通じて脳に送られ、脳で初めて映像化される仕組みだ。  角膜と瞳孔、水晶体は目の表面に近いところにあるが、その後ろの、球状の眼球のほぼ大半は、硝子体というゼリー状の物質で満たされているのだ。この“ゼリー状”を構成する成分(水分やコラーゲンなど)が何らかの原因で濁りをつくり硝子体の中を浮遊すると、そこを通る光を遮るため、黄斑が光を感じる時に影ができる。これが飛蚊症の正体なのだ。  では、なぜ硝子体の一部が濁るのか。原因はいろいろあるが、一番多いのは“加齢”だ。 「飛蚊症とは、硝子体の中を何らかの物質が漂う状態の総称です。その9割を占めるのが加齢によるもの。加齢現象なので誰の目でも必ず起きますが、症状を感じるかどうかは人それぞれ。症状が出る人は30代から40代あたりで自覚することが多いとされています」  36歳のR子さんは、年齢的に妥当な発症と言えそうだ。蒲山医師が続ける。 「加齢によって起きる飛蚊症は、正確には『生理的飛蚊症』とよばれ、放置しても視力などに影響が出ることはありません。レーザーで濁りを蒸散させたり、手術で取り除くことも技術的にはできなくはないものの、基本は経過観察(様子を見る)ですね」  9割が生理的飛蚊症なら、残る1割は何なのか。 「『病的飛蚊症』と呼ばれるもので、これは何らかの病気が原因で起きている飛蚊症です。考えられる病気としては、網膜剥離や網膜裂孔、目の血管からの出血や血中成分の漏出、中には糖尿病から起きる飛蚊症もあります。こちらの飛蚊症は視力障害を残す危険性があるので、早期の治療が求められます」

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