閉経した私が「閉経前」に知っておきたかったこと「症状は1つじゃない」
閉経に関する情報や体験談を配信する『Womaness』のCEOを務めているサリー・ミュラー。彼女に、ある症状が出始めたのは、40代前半の頃だった。生理が不順になったばかりか経血の量が劇的に増え、鉄欠乏貧血に陥った。あのときは本当に失血死するかと思ったそう。 【写真】「更年期」に入ったかも…そのサインとなりうる6の現象 当時の彼女は知らなかったけれど、あれが閉経前期の始まりだった。閉経前期は、30代から40代でエストロゲンの量がジェットコースターのように変動する閉経前の数年間で、卵巣がエストロゲンを作らなくなり、生理が止まるまで続く。 北アメリカの更年期学会によると、閉経の平均年齢は51歳で、閉経前期とその症状は平均4~8年続く。彼女の場合、閉経前期は3年くらいで終わったけれど、閉経後期は9年目。57歳になったいまも、体の変化は続いているそう。 いま振り返ると、あれだけあった症状や体の変化を閉経と結びつけなかったことが信じられないとサリー。でも、それは実際無理だった。 少なくとも彼女の時代は、母親が娘に閉経の話をすることなどなかった。でも、ミレニアル世代とZ世代は、そういう会話を求めている。だから彼女は、21歳の娘に自分の経験を包み隠さず話してあげた。 今回は、『Womaness』のCEOであるサリー・ミュラーが、自身の体験とともに閉経前に知っておきたかったことをアメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。 ※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
閉経の症状は1つじゃない
ホットフラッシュは、女性の75%が経験する忌まわしき症状。でも、サリーは残りの25%の1人だった。ホットフラッシュがなかったため、どんな症状が現れても閉経だなんて思わなかったそう。 ある日突然、肌が乾きだしたのも覚えているそう。本当に急激な変化だったという。やっとニキビから解放されると喜んだ一方で、乾燥肌用の商品が手元になくて困った。さっぱりタイプの化粧品は全部破棄。まさか自分自身が濃厚な保湿液を使うことになるなんて、思ってもみなかったみたい。 そして、忘れてはならないのが膣の乾燥。産婦人科医に相談したら、おかしなことに子宮が傾いているからだといわれた。また、本当は閉経が近かったからなのに、眠れないのも大抵ストレスや出張のせいにされた。 アメリカのイェール大学医学大学院の産婦人科学・生殖科学臨床教授、メアリー・ジェーン・ミンキン医学博士によると、閉経前期に入っていることに気づかないのはもどかしいことでもあり、いたって普通のことでもある。 閉経前期の症状の多くは、うつ病、不安神経症、甲状腺機能障害、ストレスなどの症状に似ているから。多くの女性は、生理が止まるまで本当の原因に気づかない。 「症状が出始めてから3~4年後に生理が止まれば、『ああ、この4年間の症状は閉経前期だったからなのか』といえますが、なかなか分からないものですよ」とミンキン博士。 ミンキン博士によると、生理が不順になるのは分かりやすいサイン。「排卵が起こりにくくなり、生理周期を安定させるプロゲステロンの産生量が減少します」 その結果、生理が軽くなったり、重くなったり、不順になったりする。ただし、生理周期が変わらなくても、閉経前期の症状が現れることはある。閉経前後の経験は人それぞれ。でも、どんな変化が訪れるかを知っていれば、もう少し心の準備ができたと彼女は語る。