「いい奥さんでなくても」川田裕美 白目をむくほど多忙な子育てに直面し「ちょっと開き直ってます(笑)」
私が味つけをしたら料理の出来は私にかかってくるけれど、夫がすれば全部、夫のせいになるじゃないですか(笑)。ただ、子どもたちの分は、まだ大人と完全には同じものが食べられないので。料理を大人、娘、息子と3パターン作ることもあって、そこはなかなか大変です。
■子どもは「別人格」とは思うけれど ── 子どもの食事に関して悩んだことはありますか? 川田さん:上の子は好き嫌いが多くて、私のせいじゃないかと悩んだことがありました。自分が素材の味をきちんと引き出せていないから野菜が食べられないんじゃないか、いろいろなものを食べさせていないから好き嫌いが多いんじゃないかと…。解決策はないかと検索してみたら、バクバク食べている子どもたちの映像が出てきて、余計にへこんだこともありました(笑)。
でも、同じように育てているのに、下の子は初めてのものでもどんどん手を出して食べるんですよね。すごく悩んでいたけれど、生まれ持ったものもある程度はあるとわかって、ちょっと気持ちがラクになりました。妹が食べているのを見て、お兄ちゃんが食べだすようなこともあったり、単純に年齢が上がって食べる量が増えたりと、お兄ちゃんの好き嫌いも少しずつですけど改善してきています。 ── 子育てで心がけていることは何でしょう。
川田さん:自分の所有物ではないんだ、と思うようにしています。自分の分身のように扱わない、自分のものと見てはいけない、子どもとはいえども別の人格がある、と自分に言い聞かせるようにしています。気をつけなきゃと思いながらも「なんでこれができないの!」と思うことがよくあって。でも、息子と娘は別の人格だから、私ができて彼らができないこともある。逆にこの子たちができて、私にできないこともあるはず。そう考えつつ、もうちょっと見守ってみようと思うようにしています。
もうひとつは周りの子たちと比べないようにしよう、というのも心がけているところです。「周りの子はできているのにうちの子はできてない」とか、ついつい考えてしまうことがあって。「こんな狭い世界で比べちゃダメ、比べちゃダメ」と、もう葛藤の連続です。この先、学校に行き出したら、クラスの中が本人にとっては全世界になってしまうでしょう。でも、そうじゃないんだよと言ってあげられるように、自分が広い視野でいなければと思っています。
PROFILE 川田裕美さん かわた・ひろみ。1983年生まれ、大阪府出身。和歌山大学経済学部卒。2006年読売テレビ入社。アナウンサーとして活躍し、『情報ライブ ミヤネ屋』で注目を集める。2015年読売テレビを退社し、フリーに転身。現在日本テレビ『ヒルナンデス!』水曜レギュラー、日本テレビ『1周回って知らない話』、読売テレビ『ピーチCAFE』ほか出演中 取材・文/小野寺悦子 写真提供/セント・フォース
小野寺悦子