山本芳翠展で「琉球中城之東門」を前にする来賓ら＝２６日午後２時３８分、岐阜市宇佐、県美術館

　岐阜市宇佐の県美術館で27日、展覧会「PARALLEL　MODE:山本芳翠―多彩なるヴィジュアル・イメージ―」と「PARALLEL　MODE:オディロン・ルドン-光の夢、影の輝き-」が開幕する。関連資料も含めて計約550点を集めた国内最大規模の“ダブル個展”。開場式が26日、同所であり、日比野克彦館長は「世界的なアーティストのルドンと近代日本の文化を築いた芳翠、二つの大きな個展がいよいよ幕開けする」と、盛会に期待を示した。 　山本芳翠（1850～1906年）は恵那市明智町出身。パリ留学で西洋絵画を学んだ日本洋画界の先駆者。県美術館所蔵の「裸婦」（国重要文化財）や、琉球を描いた「琉球中城之東門（りゅうきゅうなかぐすくのひがしもん）」、日露戦争を記録した「唐家屯月下歩哨（とうかとんげっかほしょう）図（ず）」（いずれも皇居三の丸尚蔵館収蔵）など、初期から晩年までの芳翠作品155点が一堂に会する。 　オディロン・ルドン（1840～1916年）は、フランスの画家で、「象徴主義」として木炭や版画による「黒（ノワール）」の世界を築き、その後はパステル画や油彩画などに表現を広げた。今回はルドン作品324点を展示する。“黒の時代”から“色彩の時代”への移行期にステンドグラスを描いた「窓」は、県美術館収蔵後、初の公開。 　芳翠展は県美術館、文化庁主催、岐阜新聞社、岐阜放送など共催。ルドン展は県美術館主催、岐阜新聞社、岐阜放送など共催。アートまるケット「つなぐ人　日比野克彦」も同時開催。いずれも「清流の国ぎふ」文化祭2024事業で、12月8日まで。