“RB”トリノは本当に誕生するのか。レッドブルがついにイタリア進出!? 現会長、ウルトラスの反応いかに【コラム】
近年、各国のサッカークラブを買収し勢力を強めているレッドブル・グループが、いよいよイタリアの地に上陸するかもしれない。トリノの会長は売却の意思がある旨のコメントを残しているが、果たして実現するのだろうか。そこにはイタリア特有の問題が…。ウルトラスの存在が大きな鍵を握っているかもしれない。(文:佐藤徳和)
●RBグループがついにイタリアに!?
レッドブル・グループが、イタリアにも触手を伸ばしている。エナジードリンクで世界を席巻しているレッドブルは、1987年にオーストリアで誕生。2023年には全世界で、約121億本ものドリンクを販売した。 このオーストリア企業は、近年スポーツ界に進出。サッカー界においてはとくに積極的な展開を見せており、2005年に買収したオーストリアのレッドブル・ザルツブルクを皮切りに、ドイツのRBライプツィヒ、ブラジルのレッドブル・ブラガンチーノ、メジャーリーグサッカー(MLS)のニューヨーク・レッドブルズを所有する。 そして、2024年8月6日にはアジアのクラブを初めて買い取った。大宮アルディージャの株式100パーセントを取得し、Jリーグで初めての外国資本企業単独オーナーとなった。 そして今、イタリアにも足を踏み入れるのではないかとの噂が囁かれている。そのクラブとは、古豪トリノだ。このクラブのシンボルを思い描いてほしい。雄牛。そう、レッドブルの象徴と一致するのだ。
●当初は買収目的の話ではなかったが…
トリノのウルバーノ・カイロ会長とレッドブルとの交渉が報じられたのは、10月28日。トリノ市に本社を構える日刊紙『ラ・スタンパ』のスクープによるもので、カイロがレッドブルの上級代表者と3回の交渉の席についたと報じられた。すでに双方の関係は夏から噂され、9月12日には、24/25シーズンにおいてレッドブルがトリノの公式エナジードリンクになることが発表されていた。 セリエAのクラブとは初めてのコラボレーションで、本拠地スタディオ・オリンピコ・グランデ・トリノでの試合では、レッドブルによるイベントが催されている。 10月28日の交渉は当初、2025年以降にメインスポンサーとしての提携拡大の可能性について話し合うために用意された。しかし、レッドブル側がクラブの買収についても関心を示し、会談の主題が次第に変化していったものと見られる。