人流センサー使い警備 錦市場、京都・祇園祭期間中
村田製作所は、京都市の錦市場商店街で人流センサーを活用し、祇園祭における安全な観光地づくりの取り組みを実施する。 祇園祭期間中は、春や秋、お盆などの観光シーズンに次ぐ混雑状況となる。これまで蓄積したデータを基に最適な警備体制を構築したい考えだ。データを用いた警備を行うのは、祇園祭期間中の13~17日、20~24日の10日間。 同社の通信・センサ事業本部IoT事業推進部Pifaa事業推進課の今川健太郎シニアマネージャーは「学術的知見とデータを融合して錦市場の効果的な警備に役立てていく」と話す。 同社は2023年10月から年末や春のお花見シーズンなどの繁忙期に、錦市場商店街で警備を実施している東洋テックとともに警備体制を変えることによる人流の変化を分析してきた。その結果、左側通行の呼びかけを行うことで、右側通行をする人が減ったことが分かった。また、西から東に向かう人の割合が多いことが判明した。 祇園祭期間中は、西側にある高倉通と富小路通の商店街と交差する場所で警備を実施。左側通行の呼びかけは日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で行う。 同社は22年、コロナ禍の人流分析に活用するため、人流センサーとデジタルサイネージを設置。アフターコロナのデータ活用として、東洋テックとともに最適な警備体制構築に向けた取り組みを実施してきた。 京都錦市場商店街振興組合の宇津康之理事は「祇園祭で大勢のお客さまがいらっしゃるこの時期に、村田製作所のデータを活用し、さまざまな対策を実施することは大変意義のあること」と話す。 東洋テックの杉森実京阪営業部二部長は「数字で人の流れがわかることは、雑踏事故を防ぐのに有効」と語った。
電波新聞社 報道本部