子どもたちが撮った紛争続くバングラデシュ・チッタゴン 支援続ける原田夏美さん(青森市出身)が写真展
紛争が続くバングラデシュのチッタゴン丘陵地帯(CHTs)に暮らす少数民族の子どもたちの写真展が22日、青森市桜川のギャラリークレイドルで始まった。企画したのは、現地で子どもたちの支援活動を行っている同市出身のNPO法人代表・原田夏美さん(39)。「どんな境遇でも子どもたちには夢を描き、成長できる環境が必要。作品を通じて本県の人たちが現地を知る機会になればうれしい」と話している。 CHTsはインド、ミャンマーとの国境沿いに位置し、クミ族などの少数民族が暮らす。紛争や迫害などで住民は長年、不安定な環境に置かれ、子どもたちの就学・進学率も低いという。 原田さんが活動を始めたのは、日大芸術学部映画学科の学生だった2010年、ドキュメンタリー映像制作のため現地を訪れたことがきっかけ。卒業後の14年に「やり残したことがある」との思いから同国へ移住、NPO法人「チョトベラ(現地語で子ども時代)」を設立し学校運営や生活支援を続けている。 「子ども時代とアイデンティティ」と題した展示には、現地の寄宿学校に通う5~12歳の約50人が撮影した写真約150点を展示。日本から寄付された中古カメラを使い、友達の笑顔や農作業する家族など、ありのままの暮らしを紹介している。現地産のコーヒー豆や子どもたちの手作りアクセサリーも並ぶ。 原田さんは「CHTsは外国人の立ち入りに制限があり活動は容易ではないが、やりたいことはまだまだある。気軽に子どもたちの写真を見て、彼らに出会ってほしい」と話した。 会期は24日まで。開場時間は午前11時から午後5時まで。