森保J大迫代役に浅野&鎌田抜擢陣容の違和感
22歳の鎌田はサガン鳥栖から2017年夏にフランクフルトへ移籍するも、1年目は公式戦出場がわずか4試合にとどまった。一転して昨シーズンは、開幕直後に期限付き移籍したシントトロイデンVV(ベルギー)の公式戦で13ゴールを量産。非凡な得点感覚を一気に開花させた。 フランクフルトに復帰した今シーズンも好調をキープし、8月11日のバルトホーフ・マンハイムとのドイツカップ1回戦でフランクフルトにおける初ゴールをゲット。代表選出時で公式戦14試合すべてに出場して、1ゴール2アシストを記録している。 森保ジャパンで代役の効かない存在感を放つ大迫は、9月18日の練習中に右太ももを痛め、全治まで4週間から6週間と診断された。森保監督も早い段階から10月シリーズで大迫を選外とすると明言していたなかで、再編成を余儀なくされたFW陣の顔ぶれが注目されていた。 果たして、浅野と鎌田が復帰した陣容には、正直、違和感を禁じえない。縦へのスピードを武器とする浅野は永井と特長が重なり、さらにベルギーでも韋駄天ぶりを発揮している伊東純也(ヘンク)も中盤で招集されている。鎌田はフランクフルトでFWではなく、トップ下としてプレーしている。 永井もFC東京では、J1得点ランキング1位タイの13ゴールをあげているディエゴ・オリヴェイラと2トップを組み、お互いを生かすかたちで8ゴールをマークしている。大迫を欠いた状況で攻撃陣を再構築していくうえで、FW陣がバリエーションを欠いていると言わざるをえない。 「FWのタイプが違うということは、チームにとってオプションがたくさんできるということ。今回招集した3選手もそれぞれ特長をもった選手なので、いいことだと思っている」 荒削りながらポストプレーができる選手、たとえば今夏に鹿島アントラーズから移籍したシントトロイデンで初ゴールを決めたばかりの、23歳の鈴木優磨をあえて招集しなかったことが、逆にいい影響をチームへもたらすと森保監督は強調する。そのうえで、武器がかぶる永井と浅野にこう言及した。 「引いてくる相手にどのようにして彼らのスピードを生かしていくのか、と思われているのかもしれません。ただ、浅野とは広島時代からチームの活動をともにしていて特長はわかっています。永井もチームのコンセプトを伝え、そのうえで『こういうプレーもして欲しい』と要求すれば、起点となるプレーもできることは6月からの代表活動のなかで見せてくれている」