「胃腸は丈夫」と思っていた62歳、検査を受けると胃と大腸の両方にがん…大腸がん患者の10%に他臓器のがんも
大腸がんとの重複、胃、子宮、乳房に多い
この男性のように同時に二つのがんが見つかることもありますが、タイミングがずれることも。近年、大腸がんは男女ともに増えていて、部位別の罹患者数が最も多いがんです。死亡者数でも女性は大腸がんがトップ。大腸がんと重複して別のがんになる方は10%とされ、私たち検診をする医師の間でしばしば話題になります。発生が多いのは、胃、子宮、乳がんで、特に胃の重複が多くなっているようです。 こうした状況を見ると、ポリープが見つかったことのある方やご家族に大腸がんの患者さんがいる方は、定期的に大腸内視鏡検査を受け、何か異常に気づいたら、胃、子宮、乳房など他の部位のがんについても検査を受けてほしいと思います。
松生恒夫(まついけ・つねお)
1955年東京生まれ、80年慈恵医大卒。94年松島病院大腸肛門病センター診療部長。2003年、東京都立川市に松生クリニック開業。日本消化器内視鏡学会指導医で胃・大腸内視鏡検査の経験豊富。「便秘外来」を開き、食事療法による症状改善にも取り組んでいる。一般向けの著書は170冊を数え、中国語・韓国語に翻訳されているものもある。