映画で伝える“ガザ地区の日常” 緊急上映広がる 大学生が気づいた「ガザの人たちは自分と同じ」
日テレNEWS NNN
イスラエルとパレスチナの情勢を受けて、「パレスチナ自治区ガザ地区」を描いた映画を緊急上映する動きが広がっています。ニュースを見て関心を持った人々が次々と訪れ、満席が相次ぐ映画館を取材しました。
4日から横浜シネマリンで上映が始まったのが、映画『ガザ 素顔の日常』(この劇場では1週間限定で公開)。夜8時に近い上映回にもかかわらず、初日は映画館の外にまで入場列が伸び、満席となっていました。
■上映終了→15館で上映 ガザの人々描くドキュメンタリー
『ガザ 素顔の日常』は、2014年から2018年頃のガザ地区の人々を映し出したドキュメンタリー作品。2022年7月に公開され、一度上映は終了しましたが、この情勢を受けて先月以降、15館での上映が決まったといいます。
この作品を配給する『ユナイテッドピープル』代表の関根健次さんに見どころを聞くと、「多くのガザに関するドキュメンタリー映画は紛争についてフォーカスを当てた作品も多いのですが、監督たちは“ガザの普通の人々の日常”を届けたいんだと(製作された)」と回答。
本編で描かれている内容について「将来は大きな漁船を持つのが夢だと語っている漁師の子供、海辺のカフェで厳しい状況の中“きょうはいつものカフェラテかい?”という明るい表情を見せてくれるカフェの店主、タクシーの中でカラオケのように女性も男性たちも歌っている様子。ガザの人々の、限られた環境の中でも幸せを見出そうとするたくましい姿も見ていただきたい」と説明し、「今、報道でどれだけの死者が出たとか数字は出てくるのですが、数字ではなくてガザ地区の中に普通の人々が暮らしている。武装勢力とは関係ない人たちが暮らしているということを伝えたい」と語りました。
■異例の100円上映 若い世代も来場
さらに、アップリンク吉祥寺では映画『ガザの美容室』を不定期で上映しています。紛争が続く現状を受け、“ガザの住民の声を映画を通して知ってほしい”という思いから企画され、鑑賞料金は異例の100円。配給会社によると、現在までに上映が設定されていた回は全てチケットが完売し、満席が続いているといいます。