【特集】丸飲みできる!?カツカレー「家族と同じメニューが食べたい」介護現場の声をきっかけに開発
介護の現場では、年齢や病気のため、かむ力や飲み込む力が低下した人には「刻み食」や「ミキサー食」を提供するのが一般的です。そんな中、「形あるものを食べたい」「みんなと同じものを食べたい」といった声をきっかけに、特別なメニューを開発したNPO法人があります。毎日放送の大吉洋平アナウンサーが取材しました。 【映像】“上あごに押し当てるだけで溶けていく”やわらかさのトンカツ
見た目や味はそのまま!「丸飲み?カツカレー」
大吉アナウンサーが訪れたのは、京都府宇治市の『カフェぐりぐり』。介護施設を運営する「NPO法人おはな」が立ち上げたカフェです。「おはな」の森田浩史理事長に話を聞きました。
(大吉アナ)「こちらのお店ではどういったものを提供されていらっしゃるんですか?」 (森田さん)「『丸飲み?カツカレー』というものを提供しています」 (大吉アナ)「カツカレーを丸飲み?どういうことだろう。カツはしっかり噛まないと食べられないじゃないですか。それが丸飲み?」
聞いたこともない「丸飲み?カツカレー」とは一体どのようなものなのでしょうか。まずは試食させていただきました。見た目は普通のカツカレーと変わりません。
(大吉アナウンサー) 「うわっ、スプーンを入れただけで肩ロースのカツが切れましたよ。(食べるのも)全く歯がいりませんでした。上あごに押し当てるだけで肉が溶けていくというか。本当にやわらかいマッシュドポテトがですね、喉の奥に流し込まれていくような感じ。不思議。お肉を『丸飲み』しています」
はしで力を入れなくても切れるロースカツ。形が崩れないやわらかさに仕上げながらも、味はそのままです。
考案のきっかけは『みんなと同じものを食べたい』という現場の声
「丸飲み?カツカレー」を考案したのは、「NPO法人おはな」の理事長・森田さんです。年齢や病気のため、かむ力や飲み込む力が低下した人には、「刻み食」や「ミキサー食」を提供するのが一般的でした。しかし、「形あるものを食べたい」という介護現場の声をきっかけに、森田さんは「丸飲み?カツカレー」を開発したと話します。 (NPO法人おはな 森田浩史理事長) 「同じ食卓でも、自分はミキサー、ほかの家族は普通のものを食べているというのは仕方がないんですけども、悲しいというか。糖尿があって、脳梗塞を繰り返して飲み込みが悪くて、『みんなと同じものを食べたい』と言って怒る男性の方がおられて、その方といろいろやりとりしながら、その方にも納得してもらえる食事をチームでつくっていった」