魚の締め方で美味しさが変わるってホント? 「脳締め」と「神経締め」の正しい順番とは!?
魚の締め方で「脳締め」と「神経締め」という方法があることをご存じの方も多いかと思います。 噂の技術『津本式』の工程一覧 でも実際のところ、これって何をやったらいいの? どちらかだけじゃだめ? という疑問もよく聞く話。 魚の専門家、津本光弘さんに伺った締め方の話を元に、どう締めたらいいのかを解説いたします!
締め方は大きく分けて脳締めと神経締めの2つ
美味しく魚を持ち帰るために、必用な処理がいくつかあるのですが、魚を締めることはとても大事だということが科学的にもわかってきました。 締めるとは、簡単に言うと魚の息の根を止めること。ちょいと物騒な話ですが、そういうことです。 そして締め方には大きく分けて2種類あります。「脳締め」と「神経締め」です。 まずは、その定義について解説しておきましょう!
「脳締め」は魚の旨味の元を減らさないことが目的
「脳締め」は文字通り、魚の脳にナイフやピックを刺し入れて、脳死状態にする行為です。 これにより魚の生体的活動は停止します。 これがなんで美味しい魚として持ち帰るために必要な作業なのかというと、魚の生命エネルギーを高く保持する必用があるからです。 なぜかというと、生命活動を停止した直後から魚の生命エネルギーはイノシン酸という魚の旨味成分に変貌していくからなんですね。 で、生命エネルギーレベルが高ければ高いほど、その魚は美味しく変貌していく。と、単純に考えてくれて大丈夫です。
まず最初に脳締めをしましょう
じゃあ、脳死させないで、クーラーに生きた状態の魚を入れて、途中で死ぬし、その状態で持って帰るのはいけないの? という話になりますが、魚は絶命するまで、その生命エネルギーを消費していくことになるんですね。とうぜん美味しさの元がどんどんと減っていくということになるのです。 (釣った後の身焼けの回復云々の話については、長くなるので今回は置いておきます) ならば、釣って写真とって、ドヤ顔したのをSNSに上げたらすぐに、魚を絶命させてやればいいのです。 もっと言えば、釣ってすぐに締めてあげるのがベストなんですね。そうすることで、より美味しくなる魚を持ち帰られるのであります。 他にも絶命させることには副次的な利点を内包してはおります。例えば、魚を暴れさせないので、人間で言う打ち身やうっ血状態を避けられる。そういった時に使うエネルギーの消費を抑えられるなのです。 その、絶命させる手順の1番手が「脳締め」なのです。