大川義秋さん、古里・福島県双葉町に凱旋 復興願い箏の音届ける
福島県双葉町出身の箏(そう)奏者大川義秋さんは12日、町内の浅野撚糸双葉事業所で、初の凱旋(がいせん)ソロコンサートを開いた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの古里の復興を願い、美しい音色を届けた。 中庭にステージを設け、オリジナル曲の「春のヒカリに」や「レモンアカシア」など計12曲を披露した。事業所内に展示されている双葉中のピアノも奏で、母校・双葉南小の校歌を歌い上げた。町民ら約150人が集まり、1曲ごとに大きな拍手を送った。 来場者と写真撮影や握手をして交流した。大川さんは「自分自身の次のステップにもつながる特別な日になった。将来、さらに復興した双葉に来て、ぜひまた演奏したい」と笑顔を見せた。 大川さんは双葉中の卒業式の日に震災に遭い、家族と埼玉県に避難した。現在はプロ奏者の「箏男kotomen(コトメン)」として国内外で演奏会を開き、県内での活動にも力を入れている。