イーグル新記録チャンスで貫いた冷静 桑木志帆はド派手ロブスター柄に“後悔”も?
◇国内女子メジャー◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 3日目(23日)◇宮崎CC(宮崎)◇6497yd(パー72)◇晴れ(観衆3707人) 【画像】「ツアー選手権リコーカップ」 南国のきれいな晴天 ラウドマウスのド派手なウェアが、晴れ渡った宮崎CCでひときわ映えた。白いパンツには真っ赤なロブスター柄。「最終日に着れば良かった。あしたも着ようかな、フフフ」。通算12アンダーで単独首位を守り、初日からトップを走る完全優勝と国内メジャー初制覇に“王手”をかけた桑木志帆は満面の笑みで言った。
年間女王の竹田麗央に3打リードして臨んだ2サムの最終組で先に仕掛けた。1番で残り137ydを9Iで2mに絡めるバーディ発進。右奥ピンの手前からグリーンの傾斜を使って寄せる狙い通りのショットで獲ると、アゲンストで長くなった2番(パー5)も145yd残った3打目を7Iの低弾道で3mにつけた。 追いかけてくる強力なライバルの存在を意識してしまいそうな2人でのプレーにも「あんまり気にしないようにしていました。風も強かったので、ボギーを打たないように」と、ひたすら自分のプレーに集中していた。3番でスコアを落としたが、ボギーはこれだけ。持ち球のフェードがつかまって左からパターを使った長い寄せを強いられた5番(パー3)も微妙な距離のパーパットを沈め、8番(パー3)もガードバンカーから寄せワンで耐えた。 今季初優勝を含めて2勝をマークした21歳の成長と冷静さが際立ったのは折り返しの9番。フォローの風が吹いたパー5で、残り211ydから4UTを握って3日連続の2オン成功。ピン左5mにつける絶好機を作った。
初日11番(パー5)でイーグルを決めており、コロナ禍で統合された2020-21年シーズンに勝みなみがマークした最多記録「13」に並んでいた。記録更新の大チャンスにも「あれはイヤでした」と笑ったのは、カップに届かせるためにはしっかり打たなければならない逆目で上りのラインだったから。「バッチ―ンって打って、奥からイヤなパットを残すより、(2パットの)バーディで切り抜けたいと思っていた。運が良かったら、入ればいいかなって」。ただでさえ厄介な高麗グリーンで、手堅く寄せにいったイーグルトライからのバーディはイメージ通りだったとうなずく。
フィールドで唯一、3日とも60台を並べて2位・竹田との3打差をキープして迎える最終日。「このコースで3打差はラッキーでもあるけど、自分がミスしたらすぐに詰められる。初日だと思って頑張ります」と口元を引きしめた。(宮崎市/亀山泰宏)