横浜、松坂大輔世代97年以来の優勝に王手 内野5人シフト炸裂!!村田監督「当たり前にできた」/神宮大会
明治神宮野球大会第4日(23日、東洋大姫路1-3横浜=延長十一回タイブレーク、神宮)準決勝が行われ、高校の部は横浜(関東)が延長十一回のタイブレークを制し、25日の決勝に進んだ。決勝の相手は、同じく延長十一回のタイブレークを制した広島商(中国)。横浜は東洋大姫路(近畿)を3―1で破り、2007年大会以来の決勝進出。延長十回1死満塁で、左翼手を二塁ベース付近に回す内野手5人シフトを敷いてピンチを切り抜けるなど、大胆な用兵が光った。 サヨナラ負けの窮地に立たされた延長タイブレークの十回1死満塁、横浜・村田監督はスクイズ防止などを目的に内野5人シフトを決断。大胆な作戦に1万5000人の観客はどよめいた。 「割り切ることは勝負事には大事。負けたら自分の責任。データもしっかり取った」 右打者の東洋大姫路・阪下に中堅から左翼への引っ張った打球はないと分析。左翼手をベンチへ下げ、代わって途中出場した林田を二塁ベース付近に置いた。左翼はがら空きとなったが、内野を4人から5人に増やし、1点を防ぎにいった。 左腕エースの奥村頼(2年)が阪下を空振り三振に抑えて2死満塁。その後、通常の内外野のシフトに戻し、二ゴロでピンチを脱した。奥村頼は「(シフトを敷いた場面で)三振を取りに行く中で低めで併殺打を打たせることを狙った。三振になってよかった」。延長十一回に2点を奪って、近畿王者との激闘を制した。 春夏の甲子園を5度制した全国屈指の強豪は、数々の修羅場をくぐり抜けてきた。長年横浜を率いた渡辺元監督の教え子でもある村田監督は「いろいろな作戦があるが、それは渡辺監督や(当時の)小倉部長が作られてきた野球」と語る。内野5人シフトなどさまざまな状況を想定して練習や実戦を繰り返してきた。「(シフトを)当たり前にできた」と手応えは十分だ。 公式戦14連勝を達成し、日米通算170勝の松坂大輔氏(当時2年)が1997年に達成して以来の明治神宮大会制覇まで1勝。決勝の相手は中国大会王者の広島商だ。「横浜一強」を目標に、神宮大会優勝から甲子園春夏連覇へ「彼らと勝ち続けたい」と村田監督。大いなる野望を抱いて、秋の神宮を制す。(児嶋基)