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アルファタウリ・ホンダが大空へ!優勝したF1イタリアGPからホンダ・ジェット始動!“新しいパートナーシップ”を喜ぶ

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レッドブルとアルファタウリにパワーユニット(PU)を搭載しているホンダが、今度は“大空”を舞台にレッドブルとアルファタウリに貢献することになった。 ■ホンダF1はホンダ・ジェットのエンジン技術で飛躍 ホンダF1の躍進の裏にはホンダ・ジェット(HondaJet)のエンジン技術が生かされていることは業界では有名な話だ。当初、パワー面でも信頼性の面でも大苦戦していたホンダF1だったが、ホンダ・ジェットの技術を応用したことでエンジン性能が飛躍的に向上し、今では毎戦、優勝や表彰台を争える位置で戦える強くて速いエンジンになった。今のホンダF1は、様々な分野で活躍しているホンダの技術者たちが協力し合い、オール・ホンダで戦って結果を出せるようになったのだ。 ホンダF1は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がイギリスのシルバーストーンで行われたF1第5戦70周年記念GPで今シーズン優勝。そして先週のF1第8戦イタリアGPでは、2018年からホンダPUを搭載しているスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが自身F1初優勝を遂げ、世界中のファンを感動させてくれた。 そんなホンダF1の躍進を支えてきたホンダ・ジェットを生産するホンダ・エアクラフト・カンパニーは、F1イタリアGPから最新型「ホンダ・ジェット・エリート(HondaJet Elite)」をレッドブル所有のスクーデリア・アルファタウリ・ホンダにデリバリーしたと発表した。 レッドブルは、ガスリーが初優勝を遂げたF1イタリアGPで、チームメンバーの移動にホンダ・ジェットを使用し、本格的に運用を開始。今後はヨーロッパを拠点として役員、F1ドライバー、他スポーツ選手の移動やサーキットの下見など、多目的でホンダ・ジェット・エリートを使用する予定だ。 ホンダ・ジェットは世界中で155機以上が運用されている。また、航空機の信頼性の指数として用いている運航予定時刻から15分以内に出発した割合の「出発信頼度(Dispatch Reliability)」では、ホンダ・ジェットは業界スタンダードを上回る信頼性を実現している。この信頼性がF1にも生かされているのだ。 ■「飛行機のエンジンは失敗が許されない」 2020年2月、アルファタウリ・ホンダのF1新車発表会の席で『TopNews.jp』の取材に藤野道格社長(ホンダ・エアクラフト・カンパニー取締役)は穏やかな口調で「飛行機のエンジンは失敗が許されないんです」と語り、ホンダ・ジェットの魅力をたっぷりと紹介してくれた。 ホンダ・ジェットは、技術者としても数々多くの受賞をしてきた藤野社長自身がたくさんのビジネスジェットに乗ってきたからこその経験が生かされ、工夫が凝らされている。技術者目線だけではない、搭乗者として感じてきた経験を生かし「すべてを再設計」したと言う。 ホンダ・ジェットは小型ビジネスジェットで最も速く、高い高度で飛べて、燃費も一番良い、という飛行性能の優秀さはもちろん有名だが、それと同じくらい乗る人が快適に過ごせる空間への工夫が多く見られる。 広くて静かで快適な室内空間を作り上げるために、エンジンを機体から離れた主翼の上面に配置した。これによって音だけでなく、空気抵抗の低減にも繋がり、速度や燃費にも貢献し性能も向上した。 ビジネスジェットの狭い空間ではトイレの問題も大きいようだ。1機数億円もするビジネスジェットだが、簡易的なトイレがほとんどで音や臭いの問題もあり、女性だけではなく男性の満足度は高いとは言えない作りが多いようだ。 そこでホンダ・ジェットでは、空気が前方から後方へ流れていくことも計算し、トイレを最後方に配置、臭いがキャビン室内に充満しないようにした。 そしてトイレのドアの形状も工夫してプライベート空間をしっかり守りつつ、トイレに天窓を設置して明かりが入るようにして閉塞感を減らし、手洗い場を設けるなど「簡易的ではないちゃんとしたトイレ」を実現。トイレの中でも快適に感じるよう随所に工夫が凝らされている。 ホンダ・ジェットは飛行性能だけではなく、こうした搭乗者が快適に過ごせる工夫も評価され、今、世界のビジネスジェットオーナーたちが絶賛し大ヒットに繋がっているのだ。 ■アルファタウリ仕様のホンダ・ジェットをデリバリーしたらアルファタウリ・ホンダがF1で優勝 実は2月のF1新車発表会の際に置いてあったアルファタウリ・カラーのホンダ・ジェットは発表会に展示するための“借り物”だった。レッドブルがホンダに発注をしていた“本物”のアルファタウリ仕様のホンダ・ジェットをようやくレッドブルにデリバリーして本格運用を開始したタイミングが、まさかアルファタウリ・ホンダが優勝することになるF1イタリアGPになるとは縁が深い。 その藤野社長はスクーデリア・アルファタウリ・ホンダにホンダ・ジェットをデリバリーし、本格運用を開始した喜びを次のように述べている。 「レッドブルよりホンダ・ジェット・エリートを選んでいただいたことを、大変嬉しく思います。ホンダ・ジェット・エリートを活用することで、より効率的に、そして安全に選手たちが移動できるようになり、ベストコンディションで各レースに臨めるようになることを期待しています」 ■レッドブル、“新しいパートナーシップ”を喜ぶ 新型ホンダ・ジェット・エリートという翼を手に入れたレッドブル。ヘルムート・マルコ博士(レッドブルF1モータースポーツ・アドバイザー)は、ホンダとの大空での“新しいパートナーシップ”を喜んでいる。 「ホンダ・ジェット・エリートをフライング・ブルズ(Flying Bulls)の新しいメンバーとして迎えることができて嬉しく思います。これは、ホンダとレッドブルの間の強力なパートナーシップの新たな一歩です」 「ホンダ・ジェットは、短距離および中距離のルートで特に効率的であるため、とても理想的です。レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダチームの移動に使用します。ホンダとレッドブルは、F1などのモータースポーツの他、MotoGPでも長年のグローバルパートナーシップを築いています。」 今年2月にTopNewsが藤野社長の話を機内でじっくりと伺っていると、ヘルムート・マルコらが次々と搭乗してきた。そして第一声は「これいいね!」と笑顔になってデリバリーが待ちきれないという表情が印象的だった。 藤野社長の飛行機愛が詰まった新型ホンダ・ジェット・エリート。ホンダ・ジェットはF1への技術的貢献に留まらず、ホンダとレッドブルがお互いに“翼をさずける”最良のパートナーシップとして、地上でも空でも加速していくのにさらなる貢献をしていくことになるだろう。

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