今日俺、鬼滅が強さを見せた「20年下半期映画界」の特徴
FRIDAYデジタルでは、2020年の映画界を前編・後編の全2回で振り返る特集企画を展開中。後編では、下半期(7~12月)の内容に絞って、出来事や公開作品を振り返っていく。 『今日から俺は!』『TENET』『鬼滅の刃』…画像で振り返る2020年話題作 新型コロナウイルスの蔓延によって、4月16日から5月31日まで全国的に映画館が休業を余儀なくされた上半期。その後、営業を再開するも、座席は「ひと席ずつ間隔を空ける」ルールが敷かれ、そのまま下半期に突入した(座席のフル稼働が実現したのは、9月19日)。 緊急事態宣言が解除されても、厳しい状況での幕開けとなった下半期。ただ、その中でもキラリと光る良作や傑作が、人々の心をつかんだ。『TENET テネット』や『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』といったヒット作も絡めて、今一度見ていこう。 ◆『TENET テネット』の大ヒットで監督から感謝状が届く(7~9月) 緊急事態宣言が解除され、映画館の営業が全国的に再開したとはいえ、ディズニーが劇場公開を軒並み延期&一部作品を配信スルーに切り替えたこともあり、夏映画の大作はほとんど劇場公開できない状況。 そんな中で気を吐いたのが、『今日から俺は!! 劇場版』。興行収入53億円を超す驚異的なヒット(12月25日現在、2020年の実写1位。総合2位)となり、強さを見せつけた。7月23日に公開された『コンフィデンスマンJP プリンセス編』は、38億円を記録。『パラサイト 半地下の家族』に続く総合4位につけている。 8月7日には、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』が公開。こちらは33億円超で、5位にランクインした。その後、菅田将暉と小松菜奈が共演した『糸』(8月21日公開)が22.4億円で8位、亀梨和也主演の『事故物件 恐い間取り』(8月28日公開)が22.8億円で7位という結果に。 洋画では、8月21日に公開された『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が映画ファンの間で「年間ベスト」の呼び声高い作品となった。9月4日に封切られたドキュメンタリー『行き止まりの世界に生まれて』と『mid90s ミッドナインティーズ』もミニシアター界隈でヒット。ともに90年代のスケボー文化を描いており、“はしご観賞”する人も多かったようだ。 9月18日には、全世界待望のクリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』が公開。ちょうど映画館の全席解禁と重なり、国内興行収入26億円超のヒット(総合6位)を記録した。日本以上に新型コロナウイルスの被害が深刻だった諸外国では、なかなか思うような結果を残せず、アメリカではこの結果を受けて他の大作が軒並み撤退することにもつながった。 ちなみに、東京・池袋のグランドシネマサンシャインでの『TENET テネット』のIMAX上映の公開4日間の成績は、世界第1位だったそう。ノーラン監督から直筆のメッセージが届き、ニュースとなった。 9月25日には、草彅剛がトランスジェンダーに扮した『ミッドナイトスワン』が封切られ、耳目を集めた。高評価を与える観客が多く、公開10週目で6.5億円を突破するロングランヒットを記録した。