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「おじちゃんが作っちゃる」 沖縄の少年に約束した首里城の模型 大分の男性、5カ月かけ完成

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沖縄タイムス

 模型の城づくりが趣味の山中光星さん(72)=大分県日出町=がこのほど、約5万8千分の1に縮尺した首里城の全体模型を完成させた。きっかけは昨年11月。松前城など全国の名城10作品を出展した地元の産業文化まつりで、沖縄から遊びに来た初対面の少年に火災で焼失した首里城の制作を頼まれた。山中さんは「首里城が焼けて落ち込んでいた少年に完成品を見てほしい」と、再会を願っている。(社会部・山城響) この記事の他の写真・図を見る  「おじちゃんが必ず作っちゃる」。少年と出会ったのは昨年11月3日。首里城火災から3日後だった。首里城が好きだという少年が、正殿が焼けたショックで悲しそうに見え、元気づけたくなったという。  山中さんは熊本出身。2016年の地震で古里のシンボル、熊本城の石垣が崩れてしまったのをきっかけに城づくりを始めた。復興を願い、翌17年の地元のまつりで熊本城の模型を出展した。それから明治維新のころ破壊された城づくりにはまった。19年のまつりでは10作品を展示。そこで沖縄の少年に出会った。首里城を失った沖縄県民の悲しみが伝わった。  まつりの最終日で片付けに追われ、名前を聞くのを忘れてしまった。わかるのは一緒にいた少年の父親の実家が大分にあることだけ。今年5月30日、地元の大分合同新聞に山中さんの首里城の模型の記事が載ったが、少年の手掛かりはまだない。「来年も必ずまつりを見に来ると言ってくれた。きっと会えるはず」と、山中さんは信じている。  模型は幅80センチ、奥行き110センチ、高さ32センチ。発泡スチロールやつまようじを使った。図書館で資料を読み、40年前に購入した城の特集ビデオで首里城のつくりを研究した。古地図を拡大コピーして型を貼り合わせ、本物に近い形にこだわった。  これまで手がけた本土の城とは勝手が違った。柱は丸く、アーチ型をした場所が多く、加工に時間がかかった。色も独特。納得いく朱色になるまで6回上塗りした。しっくいの質感を出すのに一番手こずったという。「完成までに5カ月かかって大変だったけど、約束があったから頑張れた」と笑う。  1カ所だけ未完成のパーツがある。正殿の前に立つ二つの龍柱だ。「何回もチャレンジしたけど、絵心がないけん、少年に作ってもらいたい。絶対に再会しないといけんね」と話した。

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