自民党の昨年の政活費、幹部13人に8億5050万円支出…幹事長だった茂木敏充氏に計6億円
総務省は29日、2023年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)を発表した。自民党は、政策活動費(政活費)を党幹部13人に計8億5050万円支出していた。
自民の収支報告書によると、茂木敏充幹事長(当時)には、政活費として300万~8110万円が17回にわたって計6億260万円支出された。支出額は、若宮健嗣経理局長(同)の6100万円、関口昌一参院会長(同)の5660万円――などが続いた。
政活費の支出総額は、22年の14億1630万円から約4割減った。22年は約7割が同年7月の参院選前に支出されており、23年は大型の国政選挙がなく支出が減ったとみられる。
自民幹事長室は「党勢拡大や政策立案、調査研究を行うために党役職者の職責に応じて支出している」としたが、「政治活動の自由」を理由に使途や領収書の有無は答えなかった。
国民民主党と社民党の収支報告書にも政活費の記載があった。国民民主は榛葉賀津也幹事長に300万円、社民党は「組織活動費」の名目で福島瑞穂党首ら3人に計595万円を支出。日本維新の会は、政党支部「日本維新の会国会議員団」から藤田文武幹事長に3201万円を支出した。
榛葉氏は「政策活動のために法に則(のっと)り適正に処理してきた」とコメントし、福島氏や藤田氏は領収書を保管しているとした。
政活費は、政党が議員個人に支出する資金で、受け取った議員側には使途の公開義務がない。与野党は、今後政活費を廃止する方針で一致している。
一方、自民派閥のうち解散した旧岸田派や旧森山派の今年1月から解散時までの収支報告書も29日に公表された。旧岸田派は党本部に約8408万円を寄付、旧森山派は所属議員に約5161万円を寄付し、両派とも残金をゼロとした。