男子初代王者・美来工科は初開催に感謝 沖縄県勢特有の実戦不足解消 留学生へのディフェンスが向上 U18日清食品九州ブロックリーグ 【高校バスケ】
強敵・柳ケ浦戦で当真祐斗がスリー8本
U18日清食品 九州ブロックリーグ男子で大混戦を制した美来工科の宇地原尚彦監督は初代王者に「終盤に連敗したので、まさか優勝できるとは。ウインターカップに向けていい弾みになりました」と実感が湧かない様子だった。9月28日に地元沖縄で行われた初戦で柳ケ浦(大分)と対戦。94―70で快勝し、勢いに乗って5連勝。最終戦は八女学院(福岡)を相手に白星で飾り、6勝2敗で逃げ切った。 ■三角巾、頭に包帯…インターハイ激闘で負傷、病院へ【写真】 強力な留学生2選手に加え、サイズと運動能力を兼ね備えた選手がそろう柳ケ浦には6月の九州大会2回戦で59―82で完敗していた。今回は3点シュートが高確率で決まり、チームで18本成功。第1クオーター(Q)を30―22で終えた。第2Qも勢いは衰えず25―15とリードを広げ、55―37で折り返した。 立役者は当真祐斗(3年)だ。膝の大けがから復帰し、九州大会とインターハイ(全国高校総体)はコンディションが戻らず本来の力を出せなかった。夏場の練習で体力を培い、シュートタッチも合ってきた。この試合はスリーポイント8本を含む26得点。「リハビリを支えてくれた両親に感謝したい。大会を通じて玉城がいいパスを出してくれました」と声を弾ませた。 大黒柱のポイントガード玉城宏逢主将(こうあ・3年)も信頼を寄せる。「常に当真の位置を把握しています。自分が打てる状況でも、空いていたら信頼してパスを出しています」。玉城主将だけに頼らないオフェンスに成長し、「再出発しようと言って臨んだ大会で5連勝スタートできたのは大きかった」と振り返った。 美来工科は今大会の恩恵を最も受けたチームの一つといえそうだ。ウインターカップの出場権を手にした後は練習試合の相手を探すのに苦労し、チーム力の底上げに悩んでいたという。「連休が少なく、県外への遠征も難しかった。県内の他校は3年生が引退していて、大学生とゲームをしても苦しむ場面がなかった。これまでは『地の利がない』と諦めていたのですが、今大会でインターハイ出場校、特に留学生のいるチームと戦えて対策を練ることができた」。交通費、宿泊費などの遠征費は主催する日清食品側が負担する。宇地原監督は初開催に感謝しきりだった。 8強を目指して臨んだインターハイは初戦で近大付属(大阪)に71―77で競り負けた。ウインターカップは、初戦で海部(徳島)と対戦。留学生のいない「似たタイプのチーム」(玉城)を相手に持ち味の機動力で走り勝つ。九州ブロックリーグ王者が、自信を胸に最後の冬に臨む。
西日本新聞社