頭と心を整理する「書く瞑想」の基本的な考え方
心も生活も人生もごちゃごちゃした状態で、バタバタ忙しいのに充実感がないーー。そんなふうに感じている方は、決して少なくないのではないかと思います。 そこでご紹介したいのが、『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』(古川武士 著、ダイヤモンド社)。というのも著者はここで、「書く」ことを通じて体と心を整え、自分らしい人生をシンプルに送るための方法を紹介しているからです。 「書く」ことには様々な効果があることが学術的な研究からもわかっています。 不安やストレスを抑制したり、自分の感情を可視化することで客観的に自己認識したりすることができます。 グーグルでは、マインドフルネスを実践する手法として「ジャーナリング」という、思いつくままに書き続けるワークを取り入れています。 意識的な思考ではなく、自分でも気づかない深層の「感情」をすくい上げることで、自分への理解が進みます。 ぐるぐると堂々巡りしていた悩みが、「感情」に焦点を当てることで不思議なくらい解決されます。(「はじめに やることばかりのカオスの毎日から脱出する」より) そんな本書のなかから、きょうは第2章「考えない。呼吸するように書くーー『書く瞑想』の書き方」のなかから、基本的な考え方を抜き出してみることにしましょう。 書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される 1,650 Amazonで見る 1,650 楽天で見る
なぜ、自己分析はうまくいかないのか?
著者はここで、「自己分析」について触れています。「私たちのなかには3つの自分がいる」ということを前提にすると、自己に対する視野が広がるというのです。 1つ目は「思考的自己(頭)」、2つ目は「感情的自己(心)」、3つ目は「身体的自己(腹)」です。(66ページより) 自己分析は、とかく頭とのコミュニケーションになってしまいがち。取り扱いが漠然としている感情的自己はスルーされるため、結果的に自分がわからなくなってしまうわけです。 だからこそ、「感情ジャーナル(気分・気持ちを整え、欲求・欲望を明確にして満たし、願望・価値観から未来を描いていくことを目的とした書くメソッド体系)」を通じ、スルーさせている感情的自己、身体的自己を取り戻すべきだというのです。 なお、その際の主題は「感情」。感情を媒介すれば、身体的自己(腹の声)が発する直感を受け取れるからです。 著者は、感情ジャーナルを通じて行う対話を、自己分析ではなく「自己感受」と呼んでいます。論理性ではなく感受性であり、感性回復のポイントは「考えるな、感じろ!」だそう。 自己感受のための書く瞑想のポイントは、心と直感から湧き上がることばを、思考で検閲しないこと。思考を脇に置いて、心に浮かぶことばを拾っていくことが大切なのです。(66ページより)