つみたてNISAが使える「米国株インデックス投信3銘柄」、積立投資のプロが推薦
日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏は、毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくるには、「長期間の米国積み立て投資が最も効果的」と断言する。特集『資産1億円の作り方』(全19回)の#12では、つみたてNISAの対象で、太田氏が「長期の資産形成に最適」と推す投資信託ベスト3を紹介する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰) 【つみたてNISAが使える「米国株インデックス投信3銘柄」一覧表はこちら!】 ● つみたてNISAは 投資初心者の中高年向け 少しでも資産を効率よく増やすには、税金の優遇制度をフル活用することが鉄則となる。これから資産運用を考えるサラリーマンであれば、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と「NISA(少額投資非課税制度)」の二つは使い倒したいところだ。 なお、NISAはさらに併用不可の「一般NISA」と「つみたてNISA」に分かれている。それぞれの制度の詳細は、特集『資産1億円の作り方』の#11『iDeCoとNISAをフル活用!「米国株の積立投資」を節税しながら実現する方法』を見てほしいが、iDeCoであれば掛け金が全額所得控除の対象になる。さらにiDeCoとNISAは、通常20.315%課税される運用益が全額非課税だ。 ここでは、iDeCoのように加入対象が60歳未満と定められておらず、20歳以上なら年齢とは無関係に最長20年間の税制優遇期間が設けられている、つみたてNISAに絞って、どんな投資信託を選べばよいのか、日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏のお薦め銘柄を紹介しよう。
先につみたてNISAの概略から説明すれば、その年間非課税投資枠は40万円だ。これまで2037年までの制度とされていたが、昨年の制度改正で5年間延長され42年までになった。つまり、23年までに始めれば20年以上の期間にわたり積み立て投資ができる。仮に21年に始めれば22年間×40万円で計880万円となる(ただし、各年に投資した資産を非課税で運用できる期間は現行の20年のまま)。 そのお金をどの商品に投資するべきか。つみたてNISAは、金融庁がお墨付きを与えた193本の商品が対象となっている(2020年12月23日時点)。 国が対象を絞り込んでいるとはいえ、190本を超える中から選ぶべき商品はどれか――。太田氏は「長期にわたってひたすら積み立てていける商品は、米国株式を対象とした投資信託が有利だ」という。10年単位の将来の成長性を考えた際、日本株よりも米国株の成長余地が大きいとみるからだ。その太田氏が太鼓判を押す、つみたてNISAの対象となっている投信ベスト3を見てみよう。 まず、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimは、ローコスト・インデックスファンドの先駆け的存在で、TOPIX(東証株価指数)や先進国株式などさまざまなインデックスに連動する投資信託を持つ。 その中の一つである米国株式(S&P500)は「米国株式市場に投資するに当たって、最も注目すべき投資信託の一角。指数に連動する運用成績しか得られないが、安定的に純資産総額が伸びる点は大いに評価できる」(太田氏)。ちなみにSBI証券などではiDeCoの対象商品としても取り扱っている。 このS&P500は米国の代表的な株価指数で、米国の大型株を中心に構成され、米国株式市場の時価総額のおよそ80%をカバーする。SBIアセットマネジメントの「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・バンガード・S&P500)」も、「バンガード・S&P500ETF」を通して、S&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用を行う商品である。 一方、楽天投信投資顧問の「楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド<全米株式>)」は、米国株式市場をほとんど網羅する投資信託になる。バンガード社のVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)を買い付け、小口の投資信託として販売している。こちらも楽天証券ではiDeCoの対象となっている。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy's Home
ダイヤモンド編集部/宮原啓彰