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車両ガラガラ「勝手にソーシャルディスタンスに」 ゆいレール駅長「みんなが感染症対策で頑張っている結果」

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沖縄タイムス

 かりゆし姿のサラリーマンにスーツケースを持った観光客、はしゃぐ子どもたち-。常に混雑していた「沖縄の足」ゆいレールは今、閑散としてその面影もない。「寂しいけれど、みんなが感染症対策で頑張っている結果だ」。那覇空港駅など全19駅の駅長、金城也治(せいじ)さん(47)は街に活気が戻る時を待つ。 この記事の他の写真・図を見る  「勝手にソーシャルディスタンス(人との社会的距離)が取れるくらい人がいないでしょう」。12日午前10時すぎ、てだこ浦西駅。金城さんは、乗客が一人もいない改札を見渡し、自嘲気味につぶやいた。  県内で新型コロナウイルスの感染が初めて確認された2月は「まだ影響はまったく感じなかった」。外国人観光客があふれ、英語、中国語、韓国語が飛び交い、車内では立っている客が多かった。  3~4月になると、目に見えて乗客が減った。日中、1車両に数人だけということも珍しくない。リーマンショック、新型インフルエンザ流行、東日本大震災。過去にも乗客の減ることはあったが、これだけの激減は経験がない。  地上10メートルの車窓から見渡せる街も様変わりした。交差点に連なる車や、楽しげに歩く観光客の姿は消えた。  「街が止まった。動きがなくなり、街は生き物なんだと分かった」  寂しさは拭えない。でも、それは感染対策だと理解している。「これだけ人が動かずにいれば収束して、きっとにぎわいは戻ってくる」と信じる。それまでは「『沖縄の足』として安全第一に、いつも通りのことを当たり前にやり続けよう」と決めている。(社会部・下地由実子)  高級巻き貝「ここまで暴落するとは…」 沖縄の漁師、1カ月半の我慢  「夜光貝は殻の売値にも届かない。ここまで暴落するとは…」。国頭漁協で20年近く潜水漁を続ける伊藤和浩さん(43)は1カ月半の間、漁に出ていない。  新型コロナウイルスの感染拡大で県内への旅行客が激減。飲食店からホテルへと休業が相次ぎ、高級魚介類の行き場が失われた。  大型巻き貝の夜光貝は、観光客向けの食材として、1キロ2500円の高値で取引されたこともある。  殻は磨くと虹色に光り、螺鈿(らでん)の材料として、一つ700円程度で売れるが、本島北部のセリではコロナ禍の影響で500円前後しか値が付かない。漁師からは「身が付いても殻より安い」と自嘲の声も漏れる。  高級魚のアカジンも通常の3分の1程度。日曜以外は行っていたセリも週3回に減らした。それでも、価格が底値に届かず、漁師に返品されることも。潜水部会長も務める伊藤さんは「もうけが出ない魚介類を取る気にはならない」と声を落とす。  中国で新型コロナがまん延した時は、自身の生活をも変える「脅威」とは考えていなかった。影響は瞬く間に広がり、山村の風景さえも一変させた。  潜水漁は台風が相次ぐと1カ月以上、漁に出られない時もあり、「今はまだ耐えられる期間」。タコやイカなど買値が比較的安定している魚介類に絞ろうかとも考える。休業の一部緩和に期待しつつ「すぐに観光客が増えるとは思えないが、早く値が戻り、海に潜りたい」と願っている。(運動部・新崎哲史)

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