「SDGsは全く難しいことじゃない」岸博幸が教える 自分と相手に寄り添うSDGs
SDGsで自分も周りもハッピーに
――個人レベルでは、SDGsをどう考えればいいのでしょうか。 重く考えなくてよくて、「SDGsで国に貢献だ」みたいな使命感を持つ必要はありません。 もしかしたら家庭の主婦はSDGsのことを自分には関係のない話だと思う人もいるかもしれませんが、主婦たちはすでにSDGsを実践しているんですよ。例えば、料理をする際になるべく無駄を出さないように、材料を全部使いきろうと思いますよね。これはゴミを減らすことになります。これは実はSDGsに貢献しているわけです。 他にも、街でお年寄りや障害を持っている方や外国人が困っていたら、その人達の手助けをしてあげる。これも充分SDGsになるわけです。ある意味、当たり前のことですよね。 SDGsは『Sustainable Development Goals』と堅苦しい言葉ですが、そんな横文字を使わなくても要は自分も周りもハッピーになろうっていう意識だけでよく、自分の利益だけを考えないで、同時にそれが地球の環境や、自分がいるコミュニティーにとってもプラスになることをやってこうと発想を変えていくだけで、実はSDGsに貢献しているんですよ。
日本に求められるこれからのSDGsのあり方
――コロナは今後のSDGsにどのように影響するでしょうか。 僕はアフターコロナは来年ぐらいから徐々に始まると思っていますが、みんな自分の健康を心配し、やっぱり環境を良くしたいと考えることで、コロナ対応が間違いなくSDGsを加速させます。そして、それをさらに進歩させることが大事です。 日本では最近、少しずつSDGsが広まってきていますが、SDGsという言葉は欧米ではコロナ禍前から当たり前になりつつあって、考え方がどんどん進化しています。そういう状況の中で、今一番大事なキーワードは『循環経済』です。『循環経済』を分かりやすく言えば、『ゴミ0』『フードロス0』にすること。要するに資源の無駄使いをしないで、完全に循環型の社会を作るという方法です。ヨーロッパのさまざまな都市はこれを目指しています。 日本でも今後間違いなく、循環経済は重要になります。『フードロス0』で言えば、もうコンビニでは、今までは管理上ありえなかった、売れ残った賞味期限が近い商品をお店の裁量で安くしている動きがありますよね。そういったことをどんどんやっていくことが大事です。 今日本は、地球環境問題・温室効果ガス削減でワーワーやってますけど、欧米では、それはとっくの昔に当たり前になっており、それに加えて、SDGsで環境だけじゃなくて社会も良くしようという考えが発展し、その進化系である『循環経済』が流行ってきます。 そういう状況を踏まえると日本は周回遅れとは言え、来年ぐらいから当然のようにSDGsに取り組まないといけません。企業はそれを意識したビジネスをやらないといけないし、消費者もこれからはSDGsを意識した行動が基本になるんだという考えを持ってほしいですね。