関学の怒りは悪質タックル問題を当該選手へ責任転嫁した日大トップへ
この回答を受けた関学大の鳥内監督は、「あれは暴力。あんなプレーはありえない。もし指導と選手の受け取り方に乖離があったのであれば、1プレー目が終わった時点で(内田監督が当該選手を)ベンチに戻して、そういうプレーをしろと言ったんじゃないとなぜ言えなかったのか。指導者は学生の安全を守る立場。もし、私なら、あのプレーをみた瞬間に出さない」と激怒。ときにあきれたような表情さえ浮かべた。 「なぜ、あの選手だけが危険なプレーを繰り返したのか。昨年の甲子園ボウルでは普通にプレーしていたのに」と疑問を投げかけ、”雲隠れ”している内田監督に対しては「最高責任者。まずは謝罪すべき。その後も対応が後手後手になって(問題が)余計に大きくなっている」と、内田監督の記者会見での謝罪を要求した。 また小野ディレクターは、「なぜ、このようなことが起こったのか真相を究明することが一番」とし、その上で今後の対応を協議すると話し日大の当該選手にも「真実を語ることが彼の人生の中でも必要だと思う」とのメッセージを送った。このまま選手に責任を押しつけられたままでいいのか?とのメッセージである。 被害者の保護者は刑事告訴を視野に入れているが、「ここで言及するのは避けさせていただく」と、小野ディレクターは今後のアクションについての明言を避けた。 もちろん関学大側は、調査機関ではないことを認識しており、日大側の自浄作用と関東学連の調査に任せる方針で、出来る限り不満を押し殺して大人の対応。 今後について(1)部長、監督から被害選手と保護者への謝罪(2)反則行為に至った経緯(3)反則行為をした選手をその後も起用したこと(4)監督の指示があったかどうかの再確認を、改めて要望した。 一方の日大側は、アメフット部部長の加藤直人氏の署名で、「当該選手本人を含め関係者全員からの聞き取りなどが完了しておりません」と言い訳をした上で「近日中に、弊部責任者が負傷された選手及び保護者の方並びに関西学院大学アメリカンフットボール部へお伺いし、謝罪させていただく所存です」と対応した。 それでも、「監督に意見を言えないような状況で学生を守れるのか」と鳥内監督は厳しく日大の対応を批判しており、関学大を含めた相手校の信頼を回復するためには、逃げまくっている内田監督が、まず記者会見を開き、日大が同監督へそれ相応の厳しい処分を下すか、内田監督自身が辞任を表明しなければ、選手に責任を押しつけたままでは問題が解決する出口は見えないだろう。 (文責・山本智行/スポーツライター)