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映画館が一部再開へ 業界団体がメッセージ「映画館は文化的生活に必要な場所」

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ぴあ

新型コロナウイルス感染拡大のよる緊急事態宣言が解除されたことを受け、全国の映画館が再開に向け動き出している。 そんな中、全国の興行組合が会員の全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が、映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防のためのガイドラインを発表。5月28日に記者会見が開かれ、佐々木伸一副会長が出席した。 本ガイドラインは、日本政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を踏まえ、川崎市健康安全研究所所長で新型コロナ対策専門家会議のメンバーでもある岡部信彦氏の意見を反映して作成された。 佐々木氏は、映画館は興行法などの各種法令によって、従来から感染症対策で一定の空調設備の整備が義務付けられていることを強調。一定時間での強制的な換気がなされていることを挙げ、「3密」のうちの1つ、密閉はあらかじめ解消されていることを指摘した。 さらに密集を避けるための措置として、座席の前後左右を開け、ロビーなどの行列や混雑が想定される場所では、人と人の間隔を2メートルを目安に整列する工夫を求めていくとのこと。また、出演者などによる舞台挨拶、応援上映などの特殊な上映形態は当面の間行わないよう要請する。これにより、全国に映画館は基本的に座席販売数は最大でも50パーセントになる。また、各回上映ごとにスクリーン内の消毒のための時間を設けねばならず、上映回数も減らして対応する必要がありそうだ。 全興連は、映画館の安全性と感染防止策の周知のために幕間に30秒ほどの映像を作成、各映画館に配布したそうで、合わせて映画館の安全性アピールのためのキャンペーンを広く行っていくという。 佐々木氏は、東京都のロードマップにて映画館がステップ2に入れられていることに触れ、「都民の文化的生活を維持するために必要な場所として美術館や博物館が挙げられ、ステップ1で開館できるとされたが、映画館はステップ2。我々は映画館も美術館や博物館と同様、文化的生活に必要な場所だと思っている。行政がそれを決めてしまうのは怖いことだ」と苦言を呈し、東京都に対して抗議したそうだ。 また、佐々木氏は劇場上映と配信の関係にも触れ、「映画館は作り手に対して最も大きなリターンを出せる場所であり、そこを守ることは製作者を守り、利益を還元することにつながると自負している。映画館を守ることは映画文化を守ることになる」と語り、映画産業全体における映画館の大切さも訴えた。 さらに、「全興連は映画館の他、演芸場なども含めた興行場の団体。それ以外のライブハウスなども同じエンタメ興行として一緒にやっていけることがあれば連携していきたい」とこの危機を乗り越えるため、エンタメ業界の垣根を超えて連帯を呼びかけた。 ウィズコロナにおける全国の映画館、および興行場は、当面の間ガイドラインに沿ったものになるだろう。予め感染症防止のための空調設備が整えられていることは心強いが、100パーセント感染の防止を保証するものではない。しかし、“文化的生活”を送る上で、映画館をはじめとした興行場は必要不可欠な場所だ。その場所を守るためにも、安全性を高めるためにも、興行場を訪れる観客の協力が今後は必要不可欠になるだろう。 取材・文:杉本穂高

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