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日本の成長率落ち込みを過小評価できない理由

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東洋経済オンライン

 8日に内閣府が発表した4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率(2次速報)は前期比マイナス7.9%、年率でマイナス28.1%となった。西村康稔経済再生相は「年率マイナス30~60%となった欧米各国と比べ減少幅は抑えられている」とした(1次速報発表時点の発言)。 この記事の写真を見る  新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を経験してロックダウンも行われた欧米の成長率は、アメリカが前期比年率マイナス31.7%、ユーロ圏は同マイナス39.4%だったことから、たしかに日本の成長率は相対的にはマイナス幅が限定されたと言える。しかし、筆者は日本の4~6月期のGDPは欧米並みに弱かったと考えている。そして、欧米並みに弱かった理由を考察すると、日本経済だけが高い成長を実現することは困難であることがわかる。

■消費増税による「発射台の低下」の影響  前述したように、「前期比」では日本の成長率のマイナス幅は欧米と比べて小さかった。  しかし、1年前との比較である「前年同期比」では様子が異なる。実質GDPの前年同期比はアメリカがマイナス9.1%、ユーロ圏がマイナス14.7%、日本がマイナス9.9%と、欧米との差は小さい。ユーロ圏ほど悪くはないが、アメリカよりは悪かった。  前期比のマイナス幅が小さかったのにもかかわらず前年同期比ではアメリカを超えるマイナスとなったのはなぜなのか。この背景には2019年10月の消費税率引き上げの影響がある。この影響で日本は2019年10~12月期にまとまった幅でマイナス成長となり、新型コロナウイルスの影響が顕在化する前に「発射台」が低下していた。その結果、4~6月期の前期比マイナス幅が小さくなりやすかったのである。

 そして、新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う緊急事態宣言の発出がなければ、消費税率引き上げの影響が一巡した後の2020年1~3月期や4~6月期におけるGDPは反動増となっていた可能性が高い。新型コロナウイルスの影響が織り込まれる前に行われたエコノミストへのアンケート調査である2020年1月のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センター)では、消費税率引き上げ後のマイナス成長の反動によるプラス成長が織り込まれていた。

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