【ドラフト回顧・2014年】有原航平に人気集中で日本ハムが交渉権獲得、6球団が1位単独指名
今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。
例年になく静かなドラフト
2014年のドラフトで人気が集中したのは有原航平(早大)。DeNA、広島、日本ハム、阪神と4球団が競合し、日本ハムが交渉権を獲得した。このほか1回目で抽選となったのは安樂智大(済美高)で、ヤクルトと楽天が競合。前年の松井裕樹に引き続き、楽天・立花陽三球団社長が当たりクジを引き当てた。ただ、この2人、有原が2019年には最多勝を獲得するなどエース格に成長した一方で、安樂はケガに悩まされて通算わずか6勝。入団後は明暗を分けることとなった。 1位の第1回入札は西武が高橋光成(前橋育英高)、中日が野村亮介(三菱日立パワーシステムズ)、ロッテが中村奨吾(早大)、オリックスが山崎福也(明大)、巨人が岡本和真(智弁学園高)、ソフトバンクが松本裕樹(盛岡大付高)と6球団が単独指名。補強ポイント、各候補選手の評価がうまくバラけた。 その中で、第2入札でも抽選を行ったのは、ともに1回目で有原を外したDeNAと阪神。山崎康晃(亜大)で競合し、DeNAが交渉権を獲得した。入団5年目までに通算163セーブを記録する“ハマの小さな大魔神”右腕を獲得したDeNAは、2位で石田健大(法大)、3位で倉本寿彦(日本新薬)を指名し、バランスの良い成功ドラフトと言えるだろう。 また、西武も、2位で2019年シーズンに中継ぎとして44試合に登板し優勝に貢献した佐野泰雄(平成国際大)、3位に相手バッテリーが嫌がる打撃と堅実な守備を兼ね備えた外崎修汰(富士大)を獲得。こちらも上場のドラフトだった。 【2014年ドラフト12球団1位】 ヤクルト 竹下真吾(ヤマハ/投手) 楽天 安樂智大(済美高/投手) DeNA 山崎康晃(亜大/投手) 西武 高橋光成(前橋育英高/投手) 中日 野村亮介(三菱日立パワーシステムズ/投手) ロッテ 中村奨吾(早大/内野手) 広島 野間峻祥(中部学院大/外野手) 日本ハム 有原航平(早大/投手) 阪神 横山雄哉(新日鐵住金鹿島/投手) オリックス 山崎福也(明大/投手) 巨人 岡本和真(智弁学園高/内野手) ソフトバンク 松本裕樹(盛岡大付高/投手) 反対に、期待外れだったのがヤクルトだ。20年時点で現役だったのは2位の風張蓮(東農大北海道オホーツク)のみで、すでに6選手がユニフォームを脱いでいる。 この年、セ・リーグ優勝の巨人は4選手で、パ・リーグ優勝のソフトバンクは5選手で指名を終了するなど、例年になく静かなドラフトとなった印象だ。 写真=BBM
週刊ベースボール