スタイリッシュ、904Lスチール外装、クロノメーターを上回る高精度。ボール ウォッチを新ステージへと導くブレスレット一体型の3針時計を大解剖
なおこのブレスレットもケースと同じ904Lステンレススチール製という贅沢な仕様だ。904Lステンレススチールの特性については別にまとめるとして、ケース&ブレスレットはサテン仕上げをメインに、ブレスレットの中央コマをポリッシュ、エッジ部に光沢を帯びる面取りを施し、エレガントさの中に存在感を示す外装を作り出している。ブレスレットの長さ調整前の重量は約137gで、腕への程よいズッシリした感覚も高級感を得られるポイントだ。また存在感を語るうえで外せないのが、標準的な日本人男性に適度なケースサイズ(直径40mm)を保ちつつ、ポリッシュ仕上げのベゼルの幅を狭くすることで、横ストライプをあしらった文字盤の範囲が広くなり、見た目のインパクトも時刻の視認性も高められている。こうしたディテールへのこだわりが貫かれている。
「904Lステンレススチール」の特性の代表例 ◆316L ステンレススティールよりもクロム含有率が高く、酸や塩化物の影響を受けにくい。 ◆耐食性の高いオーステナイト系ステンレスと高硬度なフェライト系ステンレスの性質を併せ持つ。 ◆金属アレルギーを引き起こしにくい。 ◆優れた加工技術によって、表面を美しい光沢仕上げとすることが可能。 ◆極めて硬質なため成形加工には特殊な技術が必須。同素材の採用は技術力の高さを証明している。
こだわりは自社ムーブメントにも。すべてはユーザビリティ向上のため
さらにはボール ウォッチのこだわりはメカにも及ぶ。「ロードマスター M パーシビア」は、ハイスペックな「BALLキャリバー RRM7309-C」を搭載しているのだ。自社製造のこのムーブメントは、従来の汎用ムーブメントよりも長い主ゼンマイを使用しており、最大で80時間駆動を実現している。加えて、権威あるスイスC.O.S.C.認定クロノメーター検定(日差-4秒~+6秒以内)をクリアした後に、自社にてより厳格な精度テストとして日差-2秒~+4秒以内を基準とする独自の「BALLオフィシャル スタンダード」もパスしている(現在時点では、「エンジニア M エンドゥランス」と「エンジニア アウトライアー」のみ同規格に準拠)。要するに、同社屈指の精度を誇りながら、およそ3日間着用していなくても動き続けるロングパワーリザーブを実現しているのである。